2006年11月9日、第13回システムバイオロジー研究会を東京大学医科学研究所一号館講堂にて開催した。「遺伝子発現解析から迫る転写制御」と題して招待講演2件と一般講演4件を行い、企業や大学の研究者等27名の参加をいただいた。いずれの講演についても活発な議論・質疑応答が交わされ、全体としても有意義な会であった。
招待講演としては、まず、お茶の水女子大学の瀬々先生から「遺伝子発現量の簡便な解析を目指して」と題して話題を提供いただいたいた。ここではシーケンシングを基礎とした絶対定量技術やそのデータベース化、クラスタリングからスタートする発現量解析に関する概観の後、級間分散を利用して発現データの解釈をより簡便に行う手法についての議論が行われた。東京工業大学大学院の小野先生からは「進化アルゴリズムによる遺伝子ネットワークの相互作用推定」と題し、S-systemをモデルとするネットワーク推定問題を解く手法とその改良法、実際の推定を行う際に用いられる計算機環境やフレームワークなどについて議論いただいた。一般講演では、遺伝子発現の解釈を行う新たな観点として、非計量多次元尺度構成法を用いる手法やゲノム上のパターンとして扱う手法、また、実験的に発現量の定量を行いながらシュミレーションによるシステム解析を行う研究についての議論やイネに関する情報リソースについての紹介があった。詳細についてはプログラムの要旨を参照されたい。
システムバイオロジー研究会 川路英哉 (NTT Software Corp.)