第7回システムバイオロジー研究会プログラム

今回の研究会では,十分に時間をとって,システムバイオロジー研究に関する
意見交換や議論を行います.1日目にはシステムバイオロジー研究の実績と貢献
について,いまの中心的話題となっている3件の発表をもとに議論します.2日
目は,より広くシステムバイオロジー研究を支える環境についての話題提供をう
けたあとに,第1回から第7回の研究会のまとめを行い,今後の研究会の進め方
を含めて,システムバイオロジー研究のこれからを展望します.飛び入りの話題
提供も歓迎します.

懇親会も企画しておりますので,多くの会員のみなさまのご参加をお待ちして
おります.

[開催日時] 2005年6月2日(木)14時〜6月3日(金)12時

[開催場所] 共済会館八汐荘(沖縄県那覇市)
http://www.ocvb.or.jp/Multi_Search_List/Multi_Contents_Detail/esel/ja/0010219100/contents.html

[参加費]
 学会会員:無料
 賛助会員:1口につき1名無料
 非会員:一般2000円,学生1000円

参加登録は特に必要ありませんが,懇親会に参加を希望される方は下のフォーム
に記入の上,5月27日までに下記までメールにてお申し込みください.場所や会費
などは個別にご案内します.

[申し込み/問い合わせ先]
  松野浩嗣(山口大学理学部)
  matsuno@sci.yamaguchi-u.ac.jp 
  電話/FAX 083-933-5697


--- 第7回システムバイオロジー研究会申し込みフォーム ---
氏名:               
所属:
電話番号:
メールアドレス:
懇親会参加希望の有無:
連絡事項:
------------------------------------------------

--- プログラム ---

*6月2日 14時〜17時
14時開会

0. 開会アナウンス(10分)

(研究発表3件,標準発表時間40分)

1. 美宅成樹(名古屋大),生物の階層システムの解析――細胞内局在予測

2. 畠山眞理子(理研),モデルを用いた細胞内情報伝達系の解析および好
 度高熱菌丸ごと一匹プロジェクトにおける情報解析について

3. 守屋央朗(JST北野共生システムプロジェクト),出芽酵母の細胞周期関
  連遺伝子のin vivoロバスト性・感受性解析

4. ディスカッション

17時閉会
18時より懇親会


*6月3日 9時30分〜12時

9:30-10:10 大場正和,宮里千尋,Jerome Ochieng, 名嘉村盛和(琉球大)
  マルチプルアラインメントの進化計算とライン接続された計算資源によ
  る分散並列処理

10:10-12:00 システムバイオロジー研究のこれまでとこれから
                      進行:松野浩嗣(山口大)
 ・第1回から第7回のシステムバイオロジー研究会の状況とまとめ
 ・システムバイオロジー研究をとりまく環境(飛び入り話題提供)
 ・システムバイオロジー研究の実績と展開の議論

--- 研究発表アブストラクト ---

タイトル:  生物の階層システムの解析――細胞内局在予測
著者:    美宅成樹
所属:    名古屋大工学研究科
アブストラクト: 生物のシステムの大きな特徴は、階層的にできているとい
うことである。それによって非常に複雑なシステムが少ない遺伝子で構成されて
いる。その本質は細胞内局在現象である。細胞内局在シグナルの特徴の解析と予
測システムについて紹介したい。この問題の本質は、やわらかい分子認識(配列
の保存性が低いことと立体構造の大きな揺らぎ)である。やわらかい分子認識を
如何に予測するかについて私の研究グループで進めている手法について説明する。


タイトル: モデルを用いた細胞内情報伝達系の解析および好度高熱菌丸ごと一匹プ
ロジェクトにおける情報解析について
著者: 畠山眞里子
所属:
 理化学研究所 ゲノム科学総合研究センター
 システム情報生物学研究グループ
 情報伝達システムバイオロジー研究チーム
アブストラクト:
筆者らは数理モデルやコンピュータシミュレーションを用いた細胞内情報伝達系の解
析を行ってきた。これらの解析手法は従来までの記述的な生物学理解に加えて、量変
化や時間変化をも対象とすることから、新たな情報伝達経路や分子の結合パターンの
予測に役立つ。我々は、ErbBリセプターの数理モデルの結果から新たにB-RafとShcに
関わる2つの制御機構を実験的に新たに見出した。また、ErbBリセプター経路に関わ
る分子PI3Kとリセプターの結合シミュレーション(分子動力学シミュレーション)よ
り新たな結合パターンを予測した。現在、タンパク質相互作用ネットワークと遺伝子
発現ネットワークを統合すべく、細胞内情報伝達系の遺伝子ネットワークの同定手法
の開発を進めている。
また筆者らは、大阪大学 倉光成紀リーダーを中心とした高度高熱菌Thermus
thermophilus丸ごと一匹プロジェクトにおいて、主に情報学的解析を行っている。本
プロジェクトは、現在までに進めてきたタンパク質の基本構造解析のほかに、遺伝子
発現解析・代謝解析をはじめとしたハイスループットデータの取得、それらのデータ
を元にしたThermus由来の機能未知遺伝子の機能予測および微生物個体の分子再構築
を行っている。今回は本プロジェクトの進行状況について紹介する。


タイトル: 出芽酵母の細胞周期関連遺伝子のin vivoロバスト性・感受性解析
著者: 守屋央朗 北野宏明
所属: システムバイオロジー研究機構(JST北野共生システムプロジェクト)
アブストラクト:
ダイナミクスやロバスト性は、生命のシステムとしての最も重要な基本特性である。
生命の基本単位である細胞におけるこれらの特性は、細胞内生化学パラメータを変動
させることによって理解することが可能となる。
出芽酵母の細胞周期では、J. Tysonらのグループによって分子生物学・生化学的知識
を統合したコンピュータモデルが構築されており、このシステムのダイナミクスやロ
バスト性が調べられている(Chen et al., 2004)。私たちは"Genetic tag-of-war"と
名付けた遺伝学的手法を用いて、出芽酵母の細胞周期関連遺伝子のコピー数パラメー
タの上限をin vivoでシステムワイドに決定する実験系を構築した。現在、実際にこの
手法を用いて30の出芽酵母の細胞周期関連遺伝子について遺伝子コピー数パラメー
タの上限を決定し、J. Tysonらの細胞周期モデルから予測される結果と比較検討を行
っている。今回の発表ではこれらの結果をふまえて、このような解析から生命のダイ
ナミクスやロバスト性についてどのような知見が得られるのか、また手法論の展望な
どを議論したい。


タイトル:マルチプルアラインメントの進化計算とライン接続された計算資源
     による分散並列処理
著者:大場正和,宮里千尋,Jerome Ochieng, 名嘉村盛和
所属:琉球大学工学部情報工学科
アブストラクト:マルチプルアラインメント問題を進化計算によって解く手法を
提案する.提案手法は,繰返し適用するペアワイズアラインメントの順序を染色
体として表現するものである.計算機実験によって提案手法の有効性を示す.
また進化計算をライン接続された計算資源上で実行する手法と性能評価結果を示す.