学会活動

JSBi九州地域部会研究セミナー 医工情報連携の先進的事例:ローカルからグローバルへ 

2014.06.24

飯塚市、飯塚病院、九州工業大学は、医工情報連携によるイノベーションを推進し、次代の成長産業の育成を目指しています。今年2月20日、飯塚市において、米国シリコンバレーのエルカミノ病院、スタンフォード大学、フォガティーイノベーション研究所から3名の講師を招待して、飯塚市の医工情報連携活性化についてのシンポジウム「ペイシャント・ファーストに基づく医療イノベーション~医療イノベーション創出で目指す地域活性化」を開催しました。九州発の医療イノベーションの先進的実例を紹介し、グローバルに展開する方策を探ります。

 

日程: 6月24日(火) 15:00-18:00

場所: 九州工業大学飯塚キャンパス 2101講義室

主催: 九州工業大学バイオメディカルインフォマティクス研究開発センター(BMIRC)

共催:    日本バイオインフォマティクス学会九州地域部会 

連絡先:倉田博之(BMIRC)kurata{at}bio.kyutech.ac.jp

 

講演スケジュール

15:00-15:05 開会のあいさつ

 

15:05-15:45レーザーを用いた血流画像化法(LSFG)を医療機器にするまで

藤居仁(ソフトケア有限会社、九州工業大学名誉教授) 

学生・院生とコツコツ積み上げた基礎研究を実用化し、製品に仕上げ、販路を広げていくには、様々な困難に直面しても立ち往生しない狂気が必要である。生体によるレーザー散乱現象の解析から始まって、眼底や人体の様々な部位の血流を画像化する新しい医療機器として販売できるようになるまでに受けた公的支援に感謝しつつ、数多くの臨床医の先生との交流の中で弊社がどのような努力を重ねてきたかを、過去10年余の歩みを振り返りながら紹介する。

 

15:45-16:15 情報工学の経皮吸収型製剤設計への応用 ~研究と起業~

森大輔(バイオコムシステムズ株式会社、代表取締役)

投薬方法の一つとして経皮吸収型製剤(貼り薬や塗り薬)が広まりつつある。経皮吸収型製剤を最適設計する方法として、皮膚吸収量や血中濃度を予測する数値シミュレーション法が九州工業大学で長年にわたり研究され、ソフトウェア「SKIN-CAD」の実用化と当社の設立に至った。現在では国内外の製薬企業で利用されるまでになっている。本講演では大学での研究と起業、SKIN-CADの役割と可能性について述べたいと思う。

 

16:20-16:50知識処理技術を活用した地域医療連携支援の取組みー退院支援業務のシステム化を例としてー

梅田政信(九州工業大学 情報創成研究系)

日本の国民医療費は、少子高齢化の進行と共に増加しており、患者へのサービス低下を招くことなく医療削減を図ることは、緊急の課題である。医療機関等の機能分化は、費用対効果の改善に一定の効果があるものの、地域における関係組織間の綿密な連携と協調が不可欠であり、それを支援する枠組みが求められている。ここでは、急性期病院における退院支援を例に、医療従事者の専門知識やノウハウを蓄積、共有することにより、業務の効率化と品質向上を図るための手法を紹介する。

 

16:50-17:20 消化管内走行カプセル―体内を動き回るカプセルが医療を変えるー

伊藤高廣(九州工業大学 機械情報研究系、 BMIRC)

従来困難であった小腸の検査・治療を目的に、直径11mm、長さ24mmの走行カプセルの研究を行っています。飲み薬のカプセルと同様の滑らかな外観、サイズですが、電源、回路、アクチュエータを納め、振動を利用して自走します。従来8時間~1日かかった検査時間を1時間程度に短縮し、患者負担の軽減を目指しています。マイクロマシン技術を応用して投薬機能、生体採集機能を付加していく予定です。

 

17:30-18:00 ディスカッション

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