学会活動

日本バイオインフォマティクス学会九州地域部会セミナー

2013.11.29

 主催:山口大学理学部附属生命パスウェイ解析センター
 共催:日本バイオインフォマティクス学会九州地域部会

日時:2013年11月29日17時~18時30分
場所:山口大学理学部15番教室
   http://www.sci.yamaguchi-u.ac.jp/sci/access
参加料:無料
連絡先:松野浩嗣(山口大学大学院理工学研究科)
    matsuno_AT_sci.yamaguchi-u.ac.jp   (_AT_ は @ です)

講演1
「メタボローム解析とメタゲノム解析の医学および食品科学への応用」
 冨田勝氏(慶應義塾大学先端生命科学研究所所長・教授)
概要:
代謝物質の網羅的解析(メタボローム解析)と微生物の網羅的解析(メ
タゲノム解析)は様々な分野に応用できる汎用の技術である。私たちは、
血液、尿、唾液、組織のメタボローム解析、および腸内細菌、皮膚常在
菌のメタゲノム解析などから得た大量のデータから、新たな医学的知見
を探索している。また、農作物やアルコール飲料のメタボローム解析、
および発酵食品のメタゲノム解析などを行って、食品の味や健康機能成
分の研究も行っているので報告する。

講演2
「細胞環境における生化学反応ネットワークのシミュレーション」
 高橋恒一氏(理化学研究所生命システム研究センター・チーム
              リーダー)
概要:
細胞内生化学反応ネットワークのシミュレーション技術は、システム生
物学や合成生物学における細胞の挙動のモデル化、予測、設計に不可欠
です。「細胞環境」はこれまでの分子/生化学シミュレーションの基礎
となってきたスモルコフスキーの反応動力学理論や化学マスター方程式
などが仮定する均一で希釈された溶液などの理想条件からかけ離れた系
であり、このモデル化には1分子粒度と呼ばれる新たな切り口でのモデ
リングが力を発揮します。今回は真核細胞のMAPKに見られる二重リン
酸化反応モチーフを例に取り、この反応モチーフの大局的な入出力応答
が分子運動の局所的な時空間相関、細胞内分子混雑、また細胞膜上での
酵素の局在などにより大幅に変化する事を示します。

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