学会活動

バイオインフォマティクス講習会  生物情報データベース入門のお知らせ

2012.08.09

国内の主要国際生物情報データベースの担当者の方に紹介していただき,実際にコンピュータ操作しながら修得していただきます。塩基配列,遺伝子アノテーション情報,細胞内パスウェイ,タンパク質立体構造など,いずれも生命科学研究に欠かせないものばかりです。是非ご参加ください。[参加無料]

 日時  2012年8月9日(木)10:00~18:00

 場所  北海道大学 高等教育機能センター E209

プログラム

9:30-10:00      受付

10:00-10:10     概要説明

10:10-11:40     日本DNAデータバンク(DDBJ)    大城戸 利久

国際塩基配列データベース共同体(INSDC) -拡張するprimary databaseの活動-

国際塩基配列データベース共同体(INSDC:DDBJ/ENA/NCBI)は生命科学の研究で明らかにされた塩基配列と注釈情報を収集・公開している。INSDCが扱う塩基配列データはシーケンサーからの生データと実験的に構築された配列に大別できる。前者をTrace ArchiveとSequence Read Archive (DRA/ERA/SRA)で,後者のデータをDDBJ/EMBL-Bank/GenBankで受付け,3極間でデータを共有している。また昨年より,全ゲノム配列などの大規模なデータセットを”project”として設定し,それらに関連する情報の管理・収集を開始した(BioProject database)。実験技術の向上を含む研究分野の進展に伴い,INSDCが運営するprimary databaseが増加した。今回の講義ではINSDC (DDBJ) の活動の現状を紹介する。

13:00-14:00     産業技術総合研究所バイオメディシナル情報研究センター  村上  勝彦

ヒト遺伝子統合データベース H-InvDB

ヒト遺伝子アノテーション統合データベースH-InvDBはヒトの遺伝子と転写産物を対象とした統合データベースです。ヒトのすべての転写産物の配列をあらゆる手法で解析することにより,ヒト遺伝子の構造, 選択的スプライシングバリアント, 機能性RNA, タンパク質としての機能, 機能ドメイン, 細胞内局在, 代謝経路,立体構造, 疾病との関連, 遺伝子多型(SNP,マイクロサテライト等), 遺伝子発現プロファイル, 分子進化学的特徴,タンパク質間相互作用(PPI), 遺伝子ファミリー などの精査されたアノテーション(注釈付け)情報を提供しています。
H-InvDBは,H-Invitationalプロジェクトで確立したヒト完全長cDNA配列のアノテーション技術を基礎として,ゲノム情報統合プロジェクト(2005-2008),経済産業省統合データベースプロジェクト(2008-2011),経済産業省ライフサイエンスデータベースプロジェクト(2008-2011)の主要データ ベースとして,構築・更新されています。

14:00-15:30 京都大学化学研究所バイオインフォマティクスセンター  五斗   進

KEGG PATHWAYとGENESの利用法

KEGGでは代謝系,シグナル伝達系,疾患,医薬品の開発過程のパスウェイ情報を文献から収集してマップを作成し,遺伝子,反応,化合物など関連する情報と対応付けした上,PATHWAYデータベースとして公開している。またゲノムが報告された生物種の遺伝子を,機能アノテーションした後,GENESデータベースに登録するとともに,その生物種のパスウェイを再構築して公開している。最近は,機能単位としてのMODULEデータベースの構築にも力を入れている本講習会では,KEGG PATHWAYとGENESの概要を紹介するとともに,新規ゲノム,メタゲノム,メタボローム情報とPATHWAYやMODULEをつなぐ方法を解説する。

15:45-16:45 日本蛋白質構造データバンクPDBj   金城   玲

PDBデータの読み解き方:mmCIFとPDBML

worldwide Protein Data Bank (wwPDB)とPDBjの概要を説明したあと,PDBjのウェブサイトでできる基本的な検索について述べる。さらに,wwPDBのマスターフォーマットであるmmCIF,およびそのXML版であるpdbmlについて解説し,蛋白質の立体構造データがどのように整理されているかをみる。

16:45-17:45 日本蛋白質構造データバンクPDBj 工藤 高裕

PDBj の検索インターフェース 『PDBj Mine』の紹介と実習

PDBj(日本蛋白質構造データバンク)では,wwPDB(worldwidePDB)のメンバーとして共通のPDBデータを提供するだけでなく,日本語でも検索できるインタフェースやPDBj独自で付加した実験条件のデータなども提供している。この時間では実習も交え,PDBjの検索インタフェース「PDBjMine」を使った基本的なPDBデータの検索・閲覧方法を紹介するとともに,実習問題にも取り組んでもらおうと考えている。

 

※事前登録者優先(定員50名先着順)です。希望者は,下記Webにてお申込みください。
URL http://bit.ly/Qy044g
PCは備え付けのものを使っていただきます。終了後に懇親会を予定しています。

連絡先
北海道大学大学院情報科学研究科 遠藤俊徳
TEL 011-706-6547  Email endo_AT_ibio.jp (_AT_ を@に変更してください)

 

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