創薬ターゲットとしてのGPCRの重要性は今更指摘するまでもなく、現在上市されている小分子医薬の実に30-40%がGPCRをその作用ターゲットとするといわれている。近年のGPCR研究の発展は目覚しく、それを支えてきたのは、その構造解析技術の進歩であるといえよう。2000年のウシ・ロドプシンのX線構造解析につづき、2007年にはヒト・β2アドレナリン受容体のX線構造が解明され、さらに、2011年にはGタンパクを結合した活性型のβ2受容体の構造が明らかにされ、GPCR研究はその活性化のメカニズムやシグナル伝達の仕組み、機能と構造の関係を原子レベルで理解することが可能となる新たな時代に突入することとなった。一方、創薬の現場では、このようなGPCRの構造やシグナル伝達メカニズムに関する知見の急速な増加に伴い、それらの情報を分子シミュレーションなどの計算化学的手法を駆使して創薬へ応用展開する方法の模索が続いている。 本会では、最近のGPCR研究の動向、さらにその成果の創薬への応用の可能性について、関連分野について活発に研究を展開されている先方にご講演いただき、最新のGPCR研究の方向性や、その創薬への応用展開の可能性や問題点などについて議論したい。
日時:9月26日(火) 13:30-16:30
会場:品川インターシティー会議室1・会議室2
http://sic-hall.com/pdf/map/accessn.pdf
参加費:無料(懇親会参加費:3,000円)
参加登録:
https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLSebMfB6IjlZpSP_rJ-NuDujJDBt_HBD6FNzFBzUiDMFiShsCA/viewform
13:10-13:30 受付
13:30-13:50 イントロダクション Schrödinger KK 市原収
13:50-14:30 京都大学大学院医学研究科 岩田想
「機能性抗体フラグメントをもちいたGPCR構造研究」
14:30-15:10 名古屋工業大学大学院工学研究科 神取秀樹
「視物質に学ぶGPCRの構造ダイナミクス」
15:10-15:50 産総研創薬分子プロファイリング研究センター 広川貴次
「GPCR構造決定後に求められるインシリコ解析について」
15:50-16:30 Schrödinger Ana Negri
「Advances in structure-based computational approaches to GPCRs: Application of WaterMap and FEP+」
17:00-18:30 懇親会 (会議室5)