著書紹介:Unsupervised Feature Extraction Applied to Bioinformatics:A PCA Based and TD Based Approach 2 nd Ed. (Y-h. Taguchi)
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本書は5年前に出版した同名の書籍の第2版である。第2版と言っても200頁程の加筆がなされ、全体で500頁超になっているので、加筆分だけでもゆうに一冊分の情報があるような改訂になっている。ここ10年余、僕は「主成分分析やテンソル分解を用いた教師無し学習による変数選択」という方法を提唱し、バイオインフォマティクスの様々な問題に適用してきた。この本はその集大成の様な本である。本であれば売れないといけないので、線形代数の基礎や行列分解、テンソル分解の紹介にかなりのページ数を割かないといけなかったが、本当に読んで頂きたいのは後半の400頁の4章から8章の部分であり、そこには僕が過去10+α年くらいの間にやった同手法の応用例を(再解析も含めて)豊富に解説した。計算量も少なく、簡単に使える方法だと自負しているので、この本の出版を機会にもっといろいろな人に試してもらえるとうれしいです。
今回の改定で加わったのは5章と7章それぞれの後半部分と8章の内容です。大きな進歩としては多彩なマルチオミックスデータの解析に対応できるアルゴリズムの開発、および、遺伝子選択で帰無仮説に用いているガウス分布の標準偏差の推定の改善により、精度が大幅に改善したことです。
5年前に初版を出した時は死ぬほど大変だったので2度とやるまいとおもったのに、初版出版後もコンスタントに論文を発表していたのがシリーズエディターの眼にとまり第2版を出さないかとオファーをされてこうなりました。まあ、もう本当に2度とやらないとは思います。
Unsupervised Feature Extraction Applied to Bioinformatics: A PCA Based and TD Based Approach 2 nd Ed.
https://doi.org/10.1007/978-3-031-60982-4
Y-h. Taguchi (著)
XXII, 533ページ・定価 18,303円(電子版)/ 26,599円(ハードカバー)
2024年8月・シュプリンガーインターナショナル