スポンサードセッション
合同シンポジウム
提供 | 栄研化学株式会社 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター 株式会社豊田中央研究所 |
日時・会場 | 9月5日(金)10時40分〜12時10分 第1会場 |
合同シンポジウム SS-1
10:40-11:25 栄研化学株式会社
Ab initio遺伝子軌道(GO)法による新規治療標的の探索:タンパクからlncRNAまで
森 努 (福島県立医科大学 看護学部)
本講演では、無限次元の情報理論に基づくab initio遺伝子軌道法(ab initio GO法)および関連手法(network expander+SDPP)による新規治療標的の同定について紹介する。ab initio GO法は、分子構造に依存せず、ネットワーク構造の計算によって遺伝子機能を定量的に推定する革新的な手法であり、従来のwet実験を必要としない点で極めて高速かつ包括的である。network expanderは、初期データから網羅的な機能ネットワークを拡張的に構築するアルゴリズムであり、SDPP(SNP-dependent prolongation of prognosis)は、アミノ酸置換に伴うタンパク構造の変化により、がん患者の予後が延長するという、従来の常識とは逆の現象に注目した手法である。SDPPは、特に免疫チェックポイント分子を含む薬剤標的候補においてこの現象が顕著であることが判明しており、予後改善に関与する新規分子の発見に資する。これらの技術を組み合わせることで、私たちは新たな免疫チェックポイント遺伝子としてKYNUを発見するなど顕著な成果を挙げてきた。さらに近年、従来の手法では解析が困難であったlncRNAについても、本アプローチが有効であることが明らかとなりつつある。タンパク質をコードする遺伝子のみならず、ノンコーディング領域に潜む未知の機能を探索・同定することは、生命科学および医学研究の新たなフロンティアを切り拓く可能性を秘めている。本講演では、これらの新手法の理論的背景と応用例、今後の展望について議論したい。
合同シンポジウム SS-2
11:25-11:50 国立研究開発法人国立長寿医療研究センター
バイオバンクとヒト試料解析データ
新飯田 俊平 (国立長寿医療研究センター研究所 研究所長特任補佐)
バイオバンクというワードが論文に初めて登場したのは1996年らしい。PubMedで調べたそうだ。バイオバンクの定義を世界に広めたのは2006年のOECDの報告書である。それによると、バイオバンクとは「ある集団または集団の中の一定の大きさの一群の試料とそれに付随する情報を体系化されたシステムの基で管理しているコレクション」とある。集めた後は利用したい研究者に配付(分譲)して研究利用してもらう。対象となる集団はヒトに限らない。動物でも微生物でも植物でもいい。しかし、どういう流れがあったか知らないが、ヒト試料に限定した集団を示すことが多い。2000年代に入って世界中に急増したこの研究インフラで重要なのは試料と情報の品質であることは言うまでもない。医学統計でもバイオインフォマティクスでも、使用するデータが正しいことが前提となる。GIGO effect と言う言葉ある。ゴミを解析してもその結果もゴミ、という意味だ。欧米では、創薬研究のファーストステップはバイオバンクからの試料収集と解析といわれているそうだ。それにはバイオバンク自体の品質も同時に担保されていることが大切になる。ここでは国立長寿医療研究センターバイオバンクの取り組みを紹介する。
合同シンポジウム SS-3
11:50-12:10 株式会社豊田中央研究所
非バイオ企業でバイオ研究を推進する意義と狙い
田中秀典 (株式会社豊田中央研究所 バイオインスパイアードシステム研究領域 リーディングリサーチャ―)
当社は、「目先の開発にとらわれず、将来の事業に繋がる遠大な研究を行う」ことを目的に、1960年にトヨタグループの共同出資により設立された企業研究所です。一見するとバイオ研究とは無縁に見えるかもしれませんが、1990年代のスーパー酵素開発を皮切りに、バイオエタノール生産を可能とするセルロース資化酵母、バイオマス増産植物、レアメタル集積ペプチドの開発など、時代を先取りした研究に取り組んできました。
今日、社会課題の複雑化が進む中で、「多様性を科学し、その利活用を図ること」は、持続可能な社会の実現に向けた重要な鍵となります。私たちは、生物進化の原動力であるゲノム多様性に着目し、それを「創出・解釈・モニタリング」する研究を推進してきました。このような研究の基盤として、バイオインフォマティクスの深化は不可欠であり、とくに次世代シーケンス技術の進化とコスト低下により、DNA情報の利活用は今後さらに加速することが期待されます。
本セッションでは、こうした取り組みとともに、企業研究所としてバイオインフォマティクス分野に参画する意義、そしてこれらの技術がもたらす社会的インパクトについて、皆さまと議論できれば幸いです。
ランチョンセミナー
ランチョンセミナー LS-1
提供 | JSBi |
日時・会場 | 9月3日(水)12時30分〜13時30分 第2会場 |
BI人材をめぐるキャリアと多様性(1) JSBiインクルージョンセッション
皆さん!対人関係うまくいっていますか?!研究室でうまくいってますか?!学会参加や共同研究で困ったことありませんか?!職場での管理職・指導的立場で困っていませんか?!
そんなあなたは必聴。冷やかし大歓迎。無料のお昼ご飯ついでに解決策のヒントを得て帰りませんか?
前半は、あなたの周りのDEIを考えてみます。「私は管理的立場でも指導者でもないからDEIなんて関係ない」…あるいは「自分はPIとしてスタッフに対して配慮しているから大丈夫」とお互いに思っていたら、永遠に研究室の課題は解決しないかも。そこで立場を超えて広い意味でDEIを捉えるきっかけとして、産業心理学の専門家・西村春輝さん(大原記念労働科学研究所)のお話をお伺いします。 テーマは「心理的安全性」ってなんだ?。最近よく聞くこのワード、職場や研究室で「安心して発言できる」「ミスしても大丈夫」と思える空気づくりにもとても大事。
「失敗したとき、どう対応すればいい?」「チャレンジできる環境って?」といったことから研究室運営や共同研究に関わる疑問のヒントをいただければと思っています!
後半は、JSBi学会員としてDEIを一緒に考えて、皆さんからのご意見を頂く場。JSBiがこれまで取り組んできたDEIに関するアンケートをネタに、今後どんな学会にしていきたいか、浜田理事長やみなさんと一緒に考えてみましょう!質問や冷やかしも大歓迎!「学会運営って自分には関係ないかな…」と思ってる人こそ、ぜひ来てほしいです。
もしモヤモヤがあれば、ぜひ学会の役員にぶつけてみてください。もちろん若手や中堅だけではなく、人生経験豊かなシニア研究者のご参加もお待ちしております。
ランチョンセミナー LS-2
提供 | Science Aid株式会社 |
日時・会場 | 9月3日(水)12時30分〜13時30分 第3会場 |
バイオインフォマティクス研究の新時代を切り拓く:AIが変える研究スタイルと未来
生成AIとAIエージェントの急速な発展により、科学研究のあり方は大きく変わりつつあります。本ランチョンセミナーでは、研究効率化と新たな価値創出を実現するAIシステムの最前線をご紹介します。
第1部「30代のための研究自動化」
史 蕭逸 (筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構)
新人PIが直面する課題にフォーカスします。独立した研究者として新分野開拓や予算戦略立案など、これまでとは異なる責務を担う中で、いかにAIを活用して研究の生産性を向上させるか。大規模論文サーベイを効率化する実践的なAIシステムを例に、研究スタイルの変革について解説します。
第2部「ライフサイエンスのためのAIエージェント」
山田 涼太 (Science Aid株式会社)
研究業務を代替・支援するAIエージェントの現在地をお伝えします。文献調査から仮説生成、データベース操作まで、人間の研究者のように振る舞うAI Scientistの登場により、研究プロセスはどう変わるのか。最新事例と実装経験から得られた知見を共有します。
研究室運営の効率化、新たな研究領域への挑戦、限られたリソースでの最大成果創出―これらの課題解決にAIシステムがどう貢献できるか、具体的なソリューションとともにご提案します。
研究の未来を共に創造する機会として、ぜひご参加ください。
【参加要件】名刺のご提出をお願いいたします
【資料配布】アンケートにご回答いただいた方に配布いたします
ランチョンセミナー LS-3
提供 | メタジェンセラピューティクス株式会社 |
日時・会場 | 9月3日(水)12時30分〜13時30分 第4会場 |
腸内細菌と情報科学が拓くバイオベンチャーの新潮流
腸内細菌叢の解明が進む中、アカデミアとバイオベンチャーの協働がますます重要となっている。本セミナーでは、メタジェンセラピューティクス株式会社が、腸内細菌研究の最前線と情報科学技術の融合により疾患メカニズム解明から臨床応用に至るプロセスを紹介する。
冒頭では、中原拓CEOが企業の視点から、アカデミア研究者とバイオベンチャーが協業する際の理想的な関係構築について言及し、研究成果を社会に還元する上で期待されるアカデミア研究者の役割や視座を論じる。次に、最高科学顧問の山田拓司が、自身の経験を踏まえ、アカデミア研究者にとってバイオベンチャーとの連携が研究の幅をどのように広げ得るかを解説する。最後に渡邊日佳流シニアバイオインフォマティシャンが、潰瘍性大腸炎を対象とした腸内細菌叢移植(FMT)の臨床データ解析結果(Journal of Crohn’s and Colitis, Volume 19, Issue 4, April 2025, jjaf054)を紹介し、腸内細菌叢の多様性と治療効果の関連性などついて報告する。
本セミナーを通じ、腸内細菌叢研究に関心を持つアカデミア研究者が、研究成果の社会実装に向け、バイオベンチャーとの新たなコラボレーションを考える契機としたい。
ランチョンセミナー LS-4
提供 | イルミナ株式会社 |
日時・会場 | 9月4日(木)12時50分〜13時50分 第2会場 |
大規模認知症ゲノム解析に向けたNCGGの取り組みとDRAGENパイプラインの活用
重水 大智 (国立長寿医療研究センター 研究所 メディカルゲノムセンター / 広島大学大学院 医系科学研究科 研究部長 / 客員教授)
国立長寿医療研究センター(NCGG)のバイオバンクは、認知症をはじめとする高齢者疾患の解明を目的に、15,000例以上の生体試料と詳細な臨床情報を収集・保有している。これらのうち、4,000例以上について全ゲノムシークエンス(WGS)、2,500例以上についてRNAシークエンス(RNA-seq)を実施し、認知症の発症・進展に関連する遺伝子変異や遺伝子発現の包括的解析が進められている。
本講演では、WGSおよびRNA-seq解析により得られた最新の研究成果を紹介し、認知症発症に関与する新規の遺伝的リスク因子や分子メカニズムについて報告する。また、高速・高精度なゲノム解析を可能にするDRAGENパイプラインの導入とその運用実績についても概説する。
重水先生のご講演の前に、イルミナ株式会社の林より、「誰もが使えるNGS解析へ:DRAGENが拓く新しい標準」との演題で以下内容の企業講演を行います。
本ランチョンセミナーでは、次世代シーケンサー(NGS)から得られたデータを迅速かつ高精度に解析するソリューション「DRAGEN」についてご紹介します。特長や導入方法、日本国内クラウド上で安価かつ手軽に利用できる方法もあわせて解説します。
今後の参考のために、セミナー聴講後、ぜひアンケートにご協力ください。アンケートにご回答いただいた方(日本在住の方限定)に謝礼としてイルミナオリジナルグッズをご用意しております。
アンケートはこちら:

ランチョンセミナー LS-5
提供 | 沖縄工業高等専門学校/健康・医療データサイエンス人材育成プログラム活用事業 |
日時・会場 | 9月4日(木)12時50分〜13時50分 第3会場 |
沖縄高専と沖縄県の共同人材育成事業からは、当該人材育成事業を体験し、日本バイオインフォマティクス学会主催の「バイオインフォマティクス技術者認定試験」に合格された受講者が、現在どのような研究・開発業務に携わられ、ご活躍されているのかを延べ2000名の受講者を代表して、2名の先生方にご講演いただきます。
演者-1:城間博紹先生(沖縄科学技術大学院大学OIST・北野Unit)
近年、腸内細菌と様々な疾患や生理現象の関連を解明する大規模コホート研究によって、膨大な数のデータの取得が進む一方で、検体処理の実験工程にかかる時間と労力がボトルネックとなっている。そこで本研究では、IoT機器、6軸ロボットアーム、自動分注装置、3Dプリンターを組み合わせた実験自動化システムを構築し、便検体からメタゲノムデータを効率的に取得できる環境を整備した。特に核酸抽出の工程では、最大58%の実験時間の短縮と、熟練研究者と同等のデータ品質を確認した。また、同システムを応用して沖縄県宜野湾市の高齢者を対象に便検体のメタゲノム解析を実施し、認知機能の変化と関連する腸内細菌および機能遺伝子を同定することができた。今後は口腔内や環境由来検体への応用、代謝産物測定の自動化にも取り組み、マルチオミクスによる統合解析への展開が期待される。
演者-2:坪田庄真先生(名古屋大学大学院医学系研究科 分子生物学)
小児がんの一つである神経芽腫は治療抵抗性を示すものから、無治療でもがんが自然退縮するものまで表現型が極めて多様です。自然退縮の分子メカニズムは未だ良く分かっておらず、解明できればがん予防や新規治療戦略につながると期待されています。私たちは、神経芽腫モデルマウスにおいて、肉眼的な腫瘍形成前に自然退縮のような現象が見られることを発見しました。この現象の分子基盤を明らかにするため、シングルセル遺伝子発現解析を行い、がんの自然退縮に関与する可能性のある特徴的な細胞を同定しました。本講演では神経芽腫マウスモデルの自然退縮様現象、シングルセル遺伝子発現データに基づくトラジェクトリー解析、実験的な検証、臨床データとの相関など一連の研究成果についてお話します。
ランチョンセミナー LS-6
提供 | MEGAZONE株式会社 |
日時・会場 | 9月4日(木)12時50分〜13時50分 第4会場 |
クラウドの商業利用が本格化してからおよそ20年が経過し、ライフサイエンス領域においてもその活用は着実に広がりを見せ、その有用性が広く認知されつつあります。とりわけ、生成AIの活用においては、高い柔軟性と高度な演算能力を備えるクラウド基盤との親和性が極めて高いことが知られており、両者の組み合わせが新たな可能性を切り拓いています。
昨今では、計算環境および生成AIモデルの進化が加速度的に進んでおり、従来のようにオンプレミスの機材を準備するためのリードタイムを待つ余裕が失われつつあります。もはや、クラウドと生成AIを最大限に活用し、迅速かつ柔軟に研究・開発を推進することが、ライフサイエンス分野においても不可欠な要件となっています。
本セッションでは、AWS Hyperpod を活用した計算クラスターの構築事例をはじめ、生成AIによるクラスター運用支援の取り組み、研究の加速を目的とした包括契約の最新動向、さらには製品情報や社内文書等を対象とした生成AIチャットボットの導入事例など、多様なユースケースをご紹介いたします。加えて、NGS解析環境の構築や、バイタルデータの利活用を見据えた機械学習環境の整備についてもご紹介します。今後の研究推進の一助となれば幸いです。
※当日は受付にて名刺を1枚ご提出いただきます。
ランチョンセミナー LS-7
提供 | 情報・システム研究機構 |
日時・会場 | 9月5日(金)12時30分〜13時30分 第2会場 |
AIとともに切り拓く次世代の生命医科学データ統合基盤
片山俊明・池田秀也・藤原豊史(ライフサイエンス統合データベースセンター)
ライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)では、生命科学分野におけるデータの統合・標準化と、その利活用を促進する基盤的研究開発を行ってきました。AIのためのRDFポータルを基盤とした知識グラフによる生命医科学データベースの統合、ヒトDB・TogoVarといった日本人ゲノム関連サービス、BioHackathonやTogothonによる国内外の連携、TogoTV・DIVEのような人材育成支援など、多面的な取り組みを紹介します。さらに、BioSampleの大規模なメタデータを対象としたLLMによる自動キュレーションの研究や、PubCaseFinderによる疾患検索・遺伝子パネル設計支援と最新文献アラート機能の開発など医科学分野との連携について紹介します。DBCLSでは一緒にプロジェクトを進めて頂ける人材を募集しています。AI時代の次世代型データベースを一緒に構築していきませんか?
ウェブフォーム https://forms.gle/kchoDKbSfkTFNqYXA でのアンケートへのご協力をお願いいたします。

ランチョンセミナー LS-8
提供 | 日本蛋白質構造データバンク(PDBj) |
日時・会場 | 9月5日(金)12時30分〜13時30分 第3会場 |
1. PDBj の最近の活動と wwPDB の今後の活動方針について
栗栖源嗣 (大阪大学蛋白質研究所)
PDBj(https://pdbj.org)は,worldwide PDB(https://wwwpdb.org) の設立メンバーとしてアジア・中東地区で決定された蛋白質等の生体高分子の構造をwwPDBが管理するコアアーカイブ(PDB,BMRB,EMDB)に登録処理し,国際的に協調して座標と実験データを全世界へ無償で公開しています。今回のセミナーでは,wwPDBが管理するコアアーカイブの今後の運営体制とデータ検証の方向性について説明いたします。さらに2024年PDBjが主催し日本で行ったwwPDB運営諮問委員会で議論されたPDB周辺の最近の状況を紹介します。PDBjの最近の活動として昨年10月に新しくスタートしたUniProtポータルの機能を中心に複数の新サービスについて解説します。
2. PDBjによる新しい配列ベースの解析ツール
New sequence-based analysis tools by Protein Data Bank Japan
Gert-Jan Bekker (大阪大学蛋白質研究所)
We have recently introduced a new UniProt-integrated portal to provide users with a quick overview of their target protein and shows a recommended structure with integrated data from various internal and external resources. The portal page helps users identify known genomic variations of their protein of interest and provide insights into how these modifications might impact the structure, stability and dynamics of the protein. Furthermore, the portal page also helps users to select the optimal structure to use for further analysis. We have also introduced Sequence Navigator Pro to explore proteins based on experimental and computational approaches, which enables experimental structural biologists to increase their insight to help them to more efficiently design their experimental studies. With these new additions, we have enhanced our service portfolio to benefit both experimental and computational structural biologists in their search to interpret protein structures, their dynamics and function.
ランチョンセミナー LS-9
提供 | JSBi |
日時・会場 | 9月5日(金)12時30分〜13時30分 第4会場 |
BI人材をめぐるキャリアと多様性(2) – Meet the Professors / Managers
バイオインフォマティクス(BI)分野の学生から若手・中堅研究者を対象に、キャリア支援と多様な人材の活躍推進を目的としたランチョンセミナー「BI人材をめぐるキャリアと多様性(2) – Meet the Professors / Managers」を開催します。
本セミナーは事前申込制(席に余裕があれば当日参加も可能)で、産業界・アカデミアの多様な立場から話し手を招き、BI人材の育成・採用、キャリア形成、活躍事例、ワークライフバランスなどをテーマに、具体的な事例を交えながら語っていただきます。JSBi賛助会員企業6社の参加も予定しており、参加者との相互理解やリクルーティング活動が可能になっています。
参加登録時の「交流を希望する話し手」の情報をもとにグループ分けを事前調整します(席数の関係上、ご希望には添えない場合もあるかもしれませんが、ご了承ください)。当日は、まず話し手を紹介し、その後20分×2回の少人数グループによる対話セッションを経て、各テーブルからの話題をご紹介・共有いただきます。
学生や若手研究者にとっては、企業や研究現場のリアルな声に触れ、自身の将来のキャリア像を描くヒントを得る貴重な機会です。一方、企業やシニア研究者にとっても、若手人材と直接対話しニーズや期待を把握できるため、育成や採用活動に役立つ重要な場となるでしょう。BI人材としての将来像を描く一助として、また産学の垣根を越えた交流の場として、多くの皆様のご参加を心よりお待ちしております。
企業とアカデミアから、以下10グループの話し手に参加いただく予定です。参加を希望されるかたは、以下のGoogleフォームから参加登録をお願いします!
https://forms.gle/PxerpeCkujezSLPt9
(1) 所属と氏名:岩井化学薬品株式会社 代表取締役社長 岩井佳子、機器/BIチーム 岩城茜
岩井は、米国大学院でヒューマンリソースを専攻後、日本のコンサル会社で11年勤務し、在職中に地方創生の会社を起業しました。2018年から岩井化学に参画し、2020年より代表取締役社長を勤めております。岩城は、大学で微生物の系統解析を経験し、新卒でブライダル業界に入りウエディングプランナーを経験しました。その後、研究の道に戻り、派遣経験や検査会社でのNGS受託解析におけるWet・Dryの経験を経て、2024年10月より岩井化学に入社しました。弊社は、創業78年を迎えた試薬/機器の卸売りを中心とする会社で、昨年10月よりバイオインフォマティクス事業を発足しています。弊社のような研究者支援をする会社において「バイオインフォマティクス事業とは?」「その立場だからできるバイオインフォマティシャンの働き方とは?」についてお話しする予定です。共に新規事業を作り上げませんか?
(2) 田辺三菱製薬株式会社 創薬本部創薬基盤研究所、経営戦略本部 ITデジタル部(兼務)主席研究員 齊藤隆太
大学では物性物理学、大学院では生物物理学・構造生物学のラボに所属し、2002年に就職してからは一貫してバイオインフォマティクスの創薬応用に関する研究をしています。現在は創薬DXの戦略策定とその実行をリードする立場で、AI技術とオミクス解析を活用した創薬標的・バイオマーカー探索、定量的システム薬理学モデルを活用した臨床予測、生成AIなどを活用した研究業務効率化などの業務を10数名のDry系研究員と一緒に担当しています。この20年でバイオインフォマティクスは創薬R&Dにおいて必須の技術と言えるところまで成長しました。一方で、研究課題によって求められるスキル・経験は様々で、より多様なバックグラウンドを有する人材の活躍が期待されています。当日は、製薬企業におけるDry中心の研究者の役割と業務内容、代表的なキャリアパスなどを自分の経験を踏まえて話できればと思います。皆様が今後のキャリアを考える上での材料の一つになれば幸いです。
(3) 名前と所属:タカラバイオ株式会社 遺伝子解析センター 吉良 聡
大学院からバイオインフォマティクス一筋。理化学研究所では、遺伝暗号の拡張やバイオ医薬品生産の効率化に取り組み、現在はタカラバイオでNGS受託部門の情報解析チームを率いています。企業におけるバイオインフォマティシャンには、「解析屋」としての技術力だけでなく、「応用探偵」としての発想力も求められます。手法のカードを増やすだけでなく、それをどこでどう切るかを見極める力が重要です。誰もが使える解析の標準化、再現性を担保する記録の徹底、プログラムの検証も欠かせません。当日は、企業における人材の役割や技術の応用可能性についてお話しします。社会課題に向き合う楽しさも伝えられればと思います。
(4) 所属と氏名:ノボザイムズジャパン株式会社 研究開発部門部長 中西貴士
ゲノム編集や育種を専門に、産業用酵素を生産する微生物の開発に携わってきました。微生物育種において、バイオインフォマティクスは欠かせない要素になっており、入社後に独学で勉強した経験があります。現在は研究開発部門のマネージャーとして複数のチームを率いています。弊社Novonesisでは酵素や微生物を使って、持続可能な社会に貢献する製品を開発しています。当日はその取り組みと、弊社における研究職のキャリアについてもお話しできればと思います。
(5) 所属と氏名: 合同会社H.U.グループ中央研究所 久我有祐美
医学系研究科修士課程を終了後、H.U.グループホールディングス株式会社に入社しました。大学では臨床検査技師免許を取得、大学院では分子生物学を専攻し、入社後からDry解析業務に従事し、これまでSARS-CoV-2ゲノム解析やクラウド上でのゲノム解析環境の構築などに携わってきました。現在は、事業実装に向けた解析パイプラインや解析環境の開発・検証などに取り組んでいます。H.U.グループは、検査・関連サービス事業、臨床検査薬事業、ヘルスケア関連サービス事業の3つを主軸とし、医療・ヘルスケア分野で幅広いサービスを提供しています。「臨床検査企業におけるバイオインフォマティシャンの活躍について」や「WetからDryへ」というトピックについてお話しする予定です。バイオインフォマティクスを始めて5年程ではありますが、学生・若手研究者の皆さんと比較的近い目線で気軽にお話しできればと思います。
(6) 所属と氏名:アンプラット 代表取締役兼CEO 三澤 拓真
バイオインフォエンジニアとして10年以上、広く浅くやってきた器用貧乏です。5年前に起業してからは会社経営の一切も兼任しました。とある大学でバイオインフォマティクスの非常勤講師も経験しています。データ解析技術の共有文化を作りたく、「株式会社アンプラット」を設立しました。「コマンド打てないけどデータ解析がしたい」、「人が抜けたときにデータ解析力が衰えない組織を作りたい」、「共同でデータ解析SaaSを運営したい」に当てはまる方はお声がけください。バイオインフォマティシャンとして、小規模な企業・ベンチャーで働くということや、バイオインフォマティシャンの分類とドメインスキルについて、お話しする予定です。AI全盛期の現在、バイオインフォをやるだけなら簡単ですが、責任をもつのも、判断するのも、研究成果が出やすい組織を作るのも人の仕事です。そんな新時代に生きるバイオインフォマティシャンへ、本会を通して、私の経験から、少しでも感じるものがあれば嬉しいです。
(7) 所属と氏名:早稲田大学 理工学術院 教授 浜田 道昭
修士課程では純粋数学を専攻し、その後、民間のシンクタンクに研究員として就職。NEDOの「機能性RNAプロジェクト」に携わったことをきっかけに、バイオインフォマティクスと運命的な出会いを果たす。在職中に社会人博士課程に進学し、博士号を取得。その後アカデミアに転身し、現在は早稲田大学にてバイオインフォマティクス研究室を主宰。2025年からは日本バイオインフォマティクス学会の理事長に就任。研究室ではRNAの解析・設計やAIを活用した創薬などに取り組んでおり、約50名のスタッフ・学生とともに日々研究を進めています。学生の「自立」を何よりも重視し、自由でのびのびとした研究環境づくりに力を入れています。本セミナーにおいては、企業とアカデミアの両方で得た経験を活かして、次世代の研究者にキャリア形成の視点をお伝えしたいと考えています。
(8) 所属と氏名:東北大学情報科学研究科/東北メディカル・メガバンク機構 木下賢吾
私は、東北大学大学院情報科学研究科で生命情報科学・バイオインフォマティクスの研究と教育に携わっており、東北メディカル・メガバンク機構では副機構長として大規模ゲノム・オミックスデータの統合解析や医療応用にも取り組んでいます。これまで、タンパク質構造と機能の関係解析や、ヒトゲノム多様性と疾患との関連解析などに注力してきました。当日は、アカデミアでのキャリアパスや、多様なバックグラウンドの人材が活躍できる環境づくりについて、個人的な経験を交えながらお話ししたいと思います。学生・若手の皆さんには、「なるようになる」を大切にしつつ、結果を恐れず挑戦する気持ちを持って欲しいと願っています。
(9) 所属と氏名:国立遺伝学研究所 大量遺伝情報研究室 特任研究員 坂本美佳
専業主婦を約10年やったあと、ウェットラボで技術補佐員などの仕事をしながらバイオインフォマティクスで学位を取り、現在は国立遺伝学研究所のポスドクです。所属研究室では、ネコゲノムAnAms1.0などの新規ゲノム解読・遺伝子アノテーションを行っています。最近、家族の介護と看取りを経験し、仕事と家族のケアをどのように両立させてきたかをお話しできればと考えています。
(10) 所属と氏名:広島大学 ゲノム編集イノベーションセンター プロジェクトマネージャー/プラチナバイオ株式会社 小野浩雅
大学院時代から脂肪細胞等の脱分化機構を網羅的に解析するためバイオインフォマティクスを学ぶ。2007年よりライフサイエンス統合データベースセンター(DBCLS)にてバイオインフォマティクス人材育成のためのポータルサイトTogoTVの開発、編集長業務のほか、遺伝子発現解析の基準となる各遺伝子の遺伝子発現量を簡単に検索、閲覧できるウェブツールRefEx等の開発に従事。2024年より現職にてゲノム解析やバイオインフォマティクス、ゲノム編集技術を活用し、社会課題解決に向けた生物機能デザインの事業化を行っている。
アカデミアからスタートアップ・産業界へ転出した経験が若手のみなさんの参考になれば幸いです。