松井求会員と岩崎渉会員の研究成果がSystematic Biologyに掲載

バイオインフォマティクス分野において、多数の生物種の遺伝子情報から生物の進化史を推定する分子系統解析は中心的な研究領域の一つです。
なかでも、例えば「原初から現在に至るまで生命はどのような進化の道筋をたどってきたのか?」といった大きな問いに答えるために、極めて長い進化史を分子系統解析によって解き明かすことは究極の目標と言えます。
しかし、既存の分子系統解析手法はいずれも、そうした遠く離れた遺伝子に対して精度が低下する多重配列アライメントに依存することが本質的な問題となっていました。
そこで松井求会員と岩崎渉会員 (東京大学)は、本研究で、多重配列アライメントではなく配列類似性グラフに基づく新たな分子系統解析手法「Graph Splitting法(GS法)」を開発しました。
また進化シミュレーションおよび実際の遺伝子配列データに基づく検証を行うことで、遠く離れた遺伝子情報を用いた分子系統解析において、GS法は既存手法よりも高い精度で分子系統樹を推定可能であることを示しました。

掲載論文:
Motomu Matsui and Wataru Iwasaki.
Graph Splitting: A Graph-Based Approach for Superfamily-scale Phylogenetic Tree Reconstruction.
Systematic Biology, published online (2019).
DOI: 10.1093/sysbio/syz049
URL: https://academic.oup.com/sysbio/article-lookup/doi/10.1093/sysbio/syz049 

プレスリリース(東京大学大学院理学系研究科・理学部):
ネットワーク解析技術を応用した新しい進化解析法 「グラフスプリッティング法」で遺伝子の初期進化に迫る
URL: https://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2019/6506/

公開日:2019.08.26