イベント案内:研究会 - システムバイオロジー研究会

第23回システムバイオロジー研究会のご案内


第23回システムバイオロジー研究会を6月26日に、東大医科学研究所で開催します。
既 に広く議論されているとおり、次世代シーケンサを初めとする実験技術の能力向上に伴い、大規模かつ多様なデータを容易に取得できるようになりつつありま す。これらの技術を駆使し取得したデータを出発点とすることでより多彩なアプローチから生命現象に迫ることが可能になると考えられます。
今回は 「大規模データと転写制御解析」というテーマを設け、研究会を開催します。ご興味のある方は奮ってご参加下さい。


[日時]
2009 年6月26日(金)14:00~18:00頃
(研究会終了後、懇親会開催の予定)

[場所]
東京大学医科学研究所一号館講堂

[参加費]
学会員・・・無料
賛助会員・・・一 口につき一名無料
非会員・・・一般2,000円  学生1,000円

[問い合わせ先]
川路英哉 kawaji AT gsc.riken.jp
理化学研究所オミックス基盤研究領域


=== スケジュール ===

* 招待講演 *

(14:00-14:45)

FANTOM4での転写制御ダイナミズムの解析
鈴木治和 (理化学研究所オミックス基盤研究領域)
生体を構成する要素の多くが明らかにされた結果、ライフサイエンスはプロモーター・および遺伝子とその産 物がおりなす生命現象を物質レベルでシステムとして理解すること、すなわちゲノムネットワーク情報を発掘する科学へと変貌してきている。さらに近年、ライ フサイエンスはハイスループットシーケンサーという強力なアプローチ法を得て、膨大な情報を短時間かつ比較的安価に得ることが可能となった。このような背 景の中、国際的な科学コンソーシアムであるFANTOM (Functional ANnoTation Of Mammals)と、文部科学省の「ゲノムネットワークプロジェクト」が一致協力して、生命をシステムとして理解すべく、ヒトTHP-1細胞の分化をモデ ルとした細胞の転写制御ネットワーク解明を試みた。ゲノムワイドかつ多様な種類のハイスループットデータがこの細胞を中心に収集され、これを基にした多く の統合的解析(integrated approach)が行われた。本発表では、この研究で開発された転写制御ネッ
トワークの解析パイプライン について紹介する。


(14:45 - 15:30)

脂肪細胞・骨芽細胞分化における遺伝子制御ネットワークの推 定手法について
松田秀雄 (大阪大学大学院 情報科学研究科)


(15:30-15:50)

休憩

(15:50-16:35)

デー タ同化:データとシミュレーションの統融合
樋口知之 (統計数理研究所)


* 一般講演 *

(16:35-17:00)

ネッ トワークマップへオミックスを統合する定量的モデルの開発
倉田博之,Quanyu Zhao (九州工業大学大学院情報工学研究院)
ゲノ ム,トランスクリプトーム,プロテオーム,メタボロームの研究が進展して,細胞内の分子ネットワークマップ構築に必要な網羅的データが急速に蓄積してい る.各オミックス情報を統合する定量的モデルを開発が求められる.病態の生理学的解析や物質代謝の解析では,定常状態における分子流束の変化を予測するこ とが大切である.私たちは,ネットワークマップの構成要素であるエレメンタリモードに,プロテオームやトランスクリプトームデータを統合することによっ て,細胞内の分子の流束分布を定量的にモデリングする技術,Enzyme Control Flux(ECF), Genetic ModificationFlux(GMF)を開発した.本モデルは速度パラメータまったく必要としない数学モデルである.ECFやGMFによる代謝流束 予測が高い精度をもつことを証明し,医療分野への応用の可能性を考える.


(17:00-17:25)

DDBJ Read Archive
児玉 悠一 (国立遺伝学研究所 生命情報・DDBJ研究センター)
次世代シークエンサは、様々な生物学分野に 浸透し、従来を大幅に上回るペースでデータを産み出している。この膨大なデータをアーカイブすべく、NCBI は2007年に Short Read Archive (SRA) を、EBI は2008年European Nucleotide Archive – Reads (ERA) を稼働させた。
5月の時点で、SRA には総計6兆塩基対(100TB)以上のデータが蓄積されている。DDBJ も年内に DDBJ Read Archive (DRA) を立ち上げるべく2008年秋から活動を開始し、現在までに11件のデータ登録に取組んできた。DDBJ/EBI/NCBIは20年以上に渡り国際塩基配 列データベース(INSDC)を共同構築してきた実績があり、次世代シークエンサからの出力データのためのアーカイブDRA/ERA/SRA構築も、今 後、国際共同事業として推進していく。


(17:25-17:50)

BioHackathon 2009 レポート
中尾光輝 (ライフサイエンス統合データベースセンター)
ライフサイエンスにおけるデータ共有、特にワークフローを実現するため のウェブサービスを通したデータ交換の改善を目的として、過去二回にわたり国際ワークショップBioHackathon を開催している。
DBCLS とOISTの共催で今年3月に開催した BioHackathon 2009では、新型シーケンサーによる大量データの扱いにまつわる課題について、巨大データの扱い、データ共有、ウェブサービス、可視化、ワークフロー/ パイプライン、セマンティックウェブ、アノテーションなどの観点において、データを生産している研究者、ツールの開発者、サービスの提供者によって実世界 でのユースケースをまじえて議論され、解決可能な課題の境界面ではツールやサービスの仕様策定や実装をおこなった。そのなかでも本研究会に関係の深いト ピックについて掘り下げて紹介したい。成果物はWiki http://hackathon2.dbcls.jp
にまとめられている。