● 研究会およびワーキンググループの紹介 ●


■ バイオシミュレーション研究会

冨田 勝(慶應義塾大学環境情報学部)

13年度の活動報告

13年度のバイオシミュレーション研究会は慶應義塾大学先端生命科学研究所オープン記念シンポジウムと共催で、 2001年10月20日と21日に慶應義塾大学鶴岡タウンキャンパス(山形県鶴岡市)にて行われた。約200人の参加者を集め盛況であった。
講演者は以下の通りである(敬称略): 金久實(京都大学)、五條堀孝(国立遺伝学研究所)、久原哲(九州大学)、林崎良英(理化学研究所)、冨田勝(慶應大学)、清水和幸(九州工業大学/慶應大学)、西岡孝明(京都大学/慶應大学)、森浩禎(奈良先端大学/慶應大学)、小笠原直毅(奈良先端大学)、板谷光泰(三菱化学生命研究所/慶應大学)、小原雄治(国立遺伝学研究所)、小長谷明彦(北陸先端大学)、宮野悟(東京大学)
詳細は以下のURLを参照: http://www.ttck.keio.ac.jp/news/opening_event/

14年度の活動予定

Biosimulation Workshop (SIGSIM02)

2002年8月3日にISMB02 (http://www.ismb02.org/)のサテライトミーティングとしてカナダのEdomontonで開催される。 SIGSIM(Special Interest Group of Biological Simulation, International Society of Computational Biology)との共催。
Program Committee: Hamid Bolouri(University of Hertfordshire), Dennis Bray(Cambridge), Doug Brutlag(Stanford), Andrea Califano(IBM), George Church(Harvard), Igor Goryanin(GlaxoSmithKline), Larry Hunter(NCBI), Peter Karp(SRI), Hiroaki Kitano(Sony CSL), Nikolay Kolchanov(Russian Academy of Sciences), Leslie Loew(University of Connecticut), Harley McAdams(Stanford), Pedro Mendes(NCGR), Chris Ouzounis(EMBL), Bernhard Palsson(UCSD), Masaru Tomita(Keio University).
連絡先:sako@jtbcom.co.jp

14年度バイオシミュレーション研究会

2002年9月17日〜18日に人工知能学会分子生物情報研究会(SIGMBI)と共催で行われる。場所は山形県鶴岡市湯の浜温予定。
連絡先:塩澤明子akiko@ttck.keio.ac.jp



■ 教育カリキュラム検討ワーキンググループ

有田 正規(産業技術総合研究所 生命情報科学研究センター)

- Making of バイオインフォマティクスカリキュラム -

ある秋の日、理研の多忙なK先生から打診を受けた。カリキュラムのたたき台を作成してみないか。K先生には人工知能学会の研究会SIG-MBIでもお世話になっている。 なにより面白そうな作業だ、と思った。そうこうするうち、自分の学位審査の主査で東大のM先生から同じ依頼をされてしまった。 学位を取ってはや2年、菓子折り一つ持ってゆかず不義理を尽くした輩には、身に余る大役かもしれない。そんなことから、仕事の大きさを知らずに引き受けたのが始まりだった。

まずは各国の教育内容のサーベイに着手した。K先生から主要大学のWWWサイトが入ったExcelファイルを貰った。が、この御時世である。古いリンク集よりGoogleが役に立つ。 ほどなく http://www.bioinformatik.de を探し当て、各大学のカリキュラムを調べ上げた。情報量は膨大だった。 ところが、どんな有名大学の授業でも、バイオインフォマティクスの一部しかカバーしていない。おおかた人材不足と授業時間が原因だろうが、名前はバイオインフォマティクス、中身は配列解析だけ、分子モデリングだけといった授業の多さに驚いた。

教科書もサーベイした。医科研のT研に侵入し、バイオインフォマティクス関連の教科書を片っ端から斜め読み、目次のコピーを取って内容を比較した。 近年は実に多くの関連書籍が出版されている。最新刊でもAmazonですぐ検索、購入可能だ。それらの中身を貼り合わせていった。分野の全容が浮かび上がった。 ほどなく、サーベイに基づいたカリキュラム草稿が完成した。K先生の所へ持参すると、異国事情に詳しい理研のY先生も加わった。 しかし、明確な構想を持つ二人の手で、草稿は根底から組直されてしまう。バイオインフォマティクスのコースとして、研究者養成とリテラシー教育と二通り用意すること。 配列の解析、構造の解析、システムバイオロジーを三本柱にすること。実験系の研究者と協調して学習できる内容を用意すること。(必ずしも実験を必修に含めるわけではない。) 主要科目は大学院で指導し、学部では基礎科目に徹すること。いま自分で考えても宜なるかな、草稿は教科書目次の真似事に過ぎなかった。とにかく、カリキュラム作りは振り出しに戻った。

学部で指導する基礎科目まで選定することになり、仕事はいっそう大がかりになった。自分が学んだはずの情報科学でさえ取捨選択には頭を痛める。況や生物学をやである。 分子生物学の教科書もサーベイに入れ、その他、遺伝学や物理化学の教科書まで引っ張り出した。 また、多くの意見を取り入れるよう尽力した。お台場CBRCの研究員に草案を日々配り、コメントを強要した。 BERIのT先生などはCBRCを訪問したのが運の尽き、カリキュラム作成にとことん協力させられた。

11月の中旬、草案を委員会の重鎮が審査する日がやってきた。羽田空港の貸し会議室に集結したのは前出のK先生、Y先生とM先生の他に奈良先端大のM先生、九工大のS先生である。 (S先生にはオブザーバーとして参加していただきました。)それぞれ異なる分野出身だけに、さまざまな意見が噴出した。単なる授業項目ではなく、将来も見据えて内容に幅をもたせること。 異分野から参入できる入り口を複数用意すること。細かい授業内容でなくその方針を項目とすること。こうした意見をもとに、大学院カリキュラムの授業項目は決定した。 また選択科目の項目も、この委員会で大筋が固まった。こうして、カリキュラム案は整ったのである。

わざわざカリキュラム案と書いているように、現在JSBiのホームページで見られるのは未定稿である。これから学会員の声を集めて修正、最終的なカリキュラムを作成する段取りになっている。 学会員の意見は非常に重要である。学会員の批判なくしては改善は見込めない。 (なぜコメントをくれるよう大々的に宣伝されていないのだろう?)ここまで読んだあなた、カリキュラム案にコメントして下さい。
( http://www.jsbi.org/ )







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