バイオインフォマティクス技術者認定試験 受験体験記
平成28年度

パーソルテクノロジースタッフ株式会社
稲森 稔 (平成28年度 首席合格者)

 私は自動車会社でDNAマーカー技術の開発に携わっています。バイオに関わってから約4年になります。

 4年前SEとしてのお話を頂いたとき、「バイオインフォマティクス」という耳慣れない言葉を電話で聞きました。検索したところ、それは非常に広範囲な分野に亘っており、雲をつかむような案件だと思った記憶があります。それは3年半後に再び思い知らされました。

 私は元々アルゴリズムを考えるのが好きで、数学的な問題をプログラムを書いて解くサイトで活動しています。実はそのサイトを参考にしたバイオインフォマティクスのサイトROSALIND(http://rosalind.info/)があると知り、片っ端から問題を解いていきました。配列解析は業務でマッパーやアセンブラを開発していたこともあって親しみがあり、また系統樹解析は再帰アルゴリズムに慣れていればさほど苦も無く解けるものでした。しかし、中には問題文を読むだけではわからない前提がある問題もあり、アルゴリズムとは違う難しさを感じました。既存のソフトを使うだけでは飽き足らない方は、このサイトでコーディングの訓練するとよいかもしれません。

 この試験については最初にどこから聞いたのか記憶にありません。ただ、ある会社の方から、うちの部署にはバイオ出身の人間はいないがバイオインフォマティクス技術者認定試験には全て合格している、と勧められました。そのとき、この試験に合格すればある程度はバイオを勉強した証拠にはなると思い、受験を決意しました。

 最初に過去問を見たとき、問題の最初のほうだけ見て全く歯が立ちそうにありませんでした。その後いろいろなバイオの本を読み、生命科学の分野もそこそこ解けるようになりました。本格的な受験勉強をはじめたのは試験の2か月半前です。繰り返しテキストで勉強することで広範囲な知識を頭に入れることができました。しかし、普段DNAしか業務で取り扱っていない私はタンパク質についての知識がどうしても入ってきません。ここはタンパク質の本で補いました。試験1週間前からは過去問を解いて本番に備えました。問題は4択のマークシートとはいえ、いわゆる受験テクニックが通じるものがなく、きっちりとした知識が問われていると感じました。細かい話ですが、問題文の「もっとも適切なもの」と「もっとも不適切なもの」を読み間違えて不正解することがしばしばでした。知識が入っていないとこうなります。本番では問題のこの部分に必ず下線を引くようにしました。

 私は今後もバイオに関わっていく意思はありますが、2年後どうなっているか、こればかりはわかりません。しかし、「21世紀の数学の恋人は生物学」などと言われるように、数学と生物学と、そしてコンピューティングのクロスオーバーするところに何かエキサイティングなものがあるような気がしてなりません。自分に何かができるのかはわかりませんが、何かができればなと思っています。


京都大学大学院医学系研究科
小山 智史 (平成28年度 首席合格者)

1. 受験の背景
 実験系の研究室に属しております。近年のハイスループット実験系(マイクロアレイや高速シーケンサ、質量分析など)のデータ解析にはバイオインフォマティクスの知識は必須で、必要に駆られて勉強しているうちに面白さを感じ、独学で勉強を始めました。しかし、この分野の体系的な教育を受けたことがなかったため、バイオインフォマティクスにおいて一般的に用いられる用語や概念についての知識が決定的に不足しており、解析手法について理解できない場面も多々ありました。このようなこともあり知識の充足を目標に受験することを決めました。

2. 試験勉強
 試験の構成自体が教育的であり、特定の分野の詳細よりもバイオインフォマティクスに関する幅広い知識の獲得が目的とされている様に思いました。このため、私は受験勉強の第一目的を自分の研究内容と直接の関係が少なくこれまで接する機会が少なかった分野についての知識の補充とすることとしました。このような目的にあたっては学会公式の参考書「バイオインフォマティクス入門」がよくまとめられており大変参考になりました。全く基礎知識がない分野についても無理なく学習を始めることができるように工夫されています。まず過去に出題された問題を解き、間違った問題やあやふやな知識について該当の箇所を確認する、という手順で効率よく勉強することができました。そうは言っても本書の内容は基礎的な知識にとどまらず、何度読み返しても発見があり大変勉強になりました。

3. 感想
 上でも述べましたように、試験自体の目的がバイオインフォマティクスに関連する分野の知識を幅広く獲得する、という事にあります。独学でバイオインフォマティクスの勉強を始めるとどうしても知識が特定の分野に偏りがちになりますので、このような方にとっては知識の底上げと確認に最適だと思います。私のような実験系研究者にとっての受験のメリットはとても大きいと思いました。最後になりましたがこのような素晴らしい学習の機会を提供頂きました学会関係各位には感謝いたします。


株式会社 日立製作所 研究開発グループ
安田 知弘 (平成28年度 首席合格者)

1. 受験の背景
 バイオインフォマティクスには学生の頃に出会い、会社の業務や社会人博士課程でも取り組んできました。しかし、自分の研究に直接関係する分野はその都度勉強するものの、多くの分野を幅広く学んだことはありませんでした。
 この試験は、狭い専門にとらわれずにバイオインフォマティクスの幅広い知識を持っているかを問うものだと聞き興味を持っていましたが、経験がない分野で自分の知識がどこまで通用するか自信はありませんでした。しかし会社で、バイオインフォマティクス以外の分野をバックグラウンドとする人達が果敢にこの試験に挑戦して次々に合格していることに刺激を受け、私も受験を決意しました。

2. 試験勉強
過去問を解いたところ、学生時代の専攻であった情報科学分野と、バイオインフォマティクス分野のうちこれまでの研究で関わってきた分野は、あまり問題がなさそうでした。そこで、特に苦手の生命科学分野に絞って関連書籍を読み、勉強しました。

3. 感想
 試験当日は、学部生でも簡単に解けそうな数学の解法を忘れてしまって慌てる など、あまりできは良くなかったと感じていましたが、予想外に首席合格者となることができ大変嬉しく思います。
 バイオインフォマティクスの幅広い分野を整理し自分の実力を客観的に把握することができるこの試験は、大変貴重だと思います。ぜひ多くの人が本試験をきっかけとしてバイオインフォマティクスの技術を身に付け、アカデミアはもちろん弊社を含む産業界でも活躍していただければと思います。

平成27年度

バイオインフォマティクス技術者認定試験合格体験記
東京大学・趙 慶慈 (平成27年度 首席合格者)

1. 受験の背景
 私は現在東京大学薬学系研究科の生命物理化学教室に所属しています。そこではタンパク質の動的な構造変化をNMRによって観測することを大きなテーマにしており、私自身は細胞内での特定のタンパク質の構造変化を軸に遺伝子の機能を細胞内環境下で調べることを目的にしています。
 この研究テーマの中心にある、タンパク質の構造解析やゲノム編集による遺伝子操作といった技術およびそのバックグラウンドは、研究の世界に入った自分にとって初めて触れるものばかりで、いろいろ勉強していくうちに日本バイオインフォマティクス学会が主催となってこの試験を行っていることを知り、現状の自分の知識の確認および試験勉強による知識の習得のため受験しました。

2. 試験勉強について
 バイオインフォマティクスという学問自体は歴史が浅く、バイオインフォマティクスを用いる分野すべてを網羅した教科書が無い中でこのような広い範囲の試験勉強に取り掛かることは主にモチベーションの問題で困難でした。
 その中で今年度バイオインフォマティクス学会により「バイオインフォマティクス入門」が刊行され、状況は一変しました。この本は試験の内容を網羅しており、この本の熟読によって試験に取り組むことに必要な知識を獲得するとともに、「この一冊でよい」という安心感が試験に対する明確なモチベーションとなりました。
 もう一つの試験勉強の柱は学会HPで公開されている過去問の演習です。
 この試験の特徴としてほとんどの問題が4択でかつ多くの問題において不適切なものを選ぶという点にあると思います。すなわち1つの問題で3つ正しいことを学ぶことができるといえます。過去8年分にあたる問題を一通り解き、逐一解説を参照することで上の本で得た知識の確認だけでなく、勉強が不足していた領域を隅々まで満たすかのように新たな知識を獲得することができました。

3. 感想
 自分はタンパク質構造解析のバックグラウンドがあるため、生物学的な知識およびタンパク質を対象にしたバイオインフォマティクスの知識についてはある程度有していましたが、上に述べたように、この試験自体が教育的であるため過去問演習、および本番の試験会場で問題を解くたびに今まで知らなかったことや曖昧だった知識を何度も確認し、自分のバイオインフォマティクスへの理解が深まることが実感できました。
 この試験の内容は生物を研究する者の必修の教養であるといっても過言ではないと考えます。プロフェッショナルとして生物学を研究する方以外にも、現在生物学を体系的に学んでいる途中の学生にもこの試験を強くお勧めいたします。

平成26年度

慶應義塾大学・岡村 勇輝(平成26年度 首席合格者)

1. 受験の背景
 私はまだ学生に過ぎず、研究の現場に立ったことは当然なく、また生物学の専門的な知識を有している訳でもありません。しかし、中学・高校で、趣味の範囲ではありますがプログラミングを行った経験があり、生物学の問題に情報科学的な手法で対するということには強い関心がありましたので、この分野の勉強をする良い目標としてバイオインフォマティクス技術者認定試験を受験させていただきました。

2. 試験勉強
 バイオインフォマティクスに関連する書籍を選んで一通り読み、その後に過去問をダウンロードさせていただいて解いて見直しをするという具合に勉強しました。特に情報科学分野の勉強については、過去にも受験体験記に書かれている方がいらっしゃいますが、情報処理技術者試験の参考書を利用するという方法は有効だと感じました。

3. 感想
 受験を決める前は専門の勉強に入っていない学生が受験するのに適したレベルの試験なのか不安でしたが、結果的にはバイオインフォマティクスを勉強するにあたって非常に良い目標となりました。

平成25年度

バイオインフォマティクス技術者認定試験合格体験記

東京大学・向野 颯馬 (平成25年度 首席合格者)

1. 受験の背景
 私は、東大院農の水圏生物科学専攻という水生生物を主に扱う専攻の水圏生物工学研究室に所属しており、現在修士1年です。研究室では次世代シーケンサを用いた研究が中心に行われています。学部生時代はデータの解析を先生や先輩に見て頂いていたのですが、院に進学したとき、もっと自分でデータを扱えるようになろうと思い、当大学院のアグリバイオインフォマティクス教育研究プログラムに参加しました。とりあえずコースは履修したのですが、もう少しアウトプットして知識を定着させたいな、と思っているところで、プログラム内でこの試験をご紹介いただきました。それがきっかけで、もともと検定などを受験するのが好きということもあり、受験させていただくことにしました。

2. 試験勉強について
 ホームページからダウンロードできる過去問を解きました。各分野でまとまっている本などを読み、包括的な知識をつけるのが理想だとは思いましたが、なにせ範囲が広範なので、過去問で問われている切り口についてだけでも知識をつけていこうということにしました。
 問題の難易度はそれぞれの分野の専門の人にとってはすぐ分かるようなレベルかと思いますが、基本的に自分の専門外の分野の問題が数多く出てくる、そういう試験だと思います。したがって、いかに自分の専門外のところの知識を浅く広く集められるかというところがポイントになると思います。
 個人的には20種のアミノ酸の構造式と3文字および1文字表記は覚えておくと色々な問題に応用ができて良かったかな、と思います。

3. 感想
 技術の進歩は、昔からすれば夢のようなスピードで大量のデータを得ることを可能にしました。しかし、ゲノムの配列が決定できるようになり、これで生命活動や遺伝的多様性の仕組みがスッキリクリアにわかる!と思ったら、意外とわからない。タンパク質をコードしている部分は1%程度しかなく、結局何をしているのかわからない配列がほとんど。「見える」けど「読めない」、これが今の生命科学の突き当たっている壁であり、そこに挑戦しているのがバイオインフォマティクスなのではないかな、と思っています。
 そしてその壁に挑むには、生理学、生化学、分子生物学、有機化学、統計学、インフォマティクスといった幅広いスケールの知見が必要とされるように感じています。この試験で身に付けた知識は、自分で研究していくためというより、他の専門分野の方と連携し、その壁を越えていくための知識だと捉えています。この合格を機に、生命科学の発展に多少なりとも寄与できるよう一層努力をしていきたいと思います。

平成24年度

バイオインフォマティクス技術者認定試験合格体験記

京都大学・中根 崇智 (平成24年度 首席合格者)

1. 受験動機
私は大学院で wet な実験系の研究をしてきました。プログラミングは昔からの趣味で、研究関係でも、解析を自動化したり結果を可視化するプログラムを書いたりしています。そうしているうちに、自分の興味や適性として、wet な実験よりもデータを解析したり、そのためのプログラムを作るような dry な仕事に強く惹かれるようになりました。また、次世代シーケンサ(NGS)などの技術革新が著しく、大規模データとその数理解析を元にしたこれまでにないタイプの研究が発表される時代です。こうしたアプローチへのリテラシーも身につけたいと思っていました。そこで、自分の能力を客観的に測る「腕試し」として受験してみることにしました。

2. 勉強法
勉強としては、Webサイトに掲載されている過去問を解きました。1年分解いてみて合格点には十分余裕があることが分かったのですが、せっかくの機会なので、これまであまり触れることのなかった分野を補強しておきました。最近の問題には簡単な解説も付いていて、とても助かりました。解説でも疑問が残る点については、ネット上にある講義資料などを参照しました。実際に手を動かしてデータベースを検索してみたり、プログラムを走らせたり書いたりしてみるとなお良いのでしょうが、残念ながらそこまでする余裕はありませんでした。

3. 問題の印象
出題される問題の質も高いと思います。いわゆる「問題のための問題」が多いとやる気を削ぐものですが、そういった本質を離れた悪問はほとんどなくて、その分野を知っていれば自然と解ける良問が大半でした。また、問題文で解き方が誘導されている問題も多いので、丸暗記が必要な領域は意外と少ないはずです。

4. まとめ
主席で合格することができ、とても嬉しいです。これで満足することなく、今後も学習を続け、自分の研究に活かすようにしたいと思っています。ありがとうございました。

平成22年度

バイオインフォマティクス技術者認定試験合格体験記

安達 竜太郎 (平成22年度 首席合格者)

製薬会社の研究所に勤務しております。仕事では主に生物学や生化学に関わることが多いですが、必要に応じて配列データベースの検索や発現解析なども行います。最近、様々な公共あるいは市販のデータベースが充実してきている中で、インフォマティクスを活用して効率的に有用な情報を抽出できないかと考えておりました。そんな折この試験のことを知って、これまでの自分の知識を試験勉強の中で整理し直すことは、応用のためにも有意義だろうと考えて受験しました。  試験対策としては、出題範囲の主要キーワードがまとめられていますので、漏れがないように幅広く知識を整理しました。生命科学分野は、私の仕事と直接関係する内容なので、特に対策の必要はありませんでした。情報科学分野は、学生時代のプログラミングの経験などが役立ちました。バイオインフォマティクス分野については、これまで体系的に学習する機会がありませんでしたので、過去の試験問題を中心に勉強しました。配列解析が全ての基礎になっていることを意識しながら、断片的な知識を相互に関連付けて調べていくと理解が進みました。バイオインフォマティクス推進センターのホームページでは、本試験を意識した講義資料を入手することができましたので、参考にさせていただきました。  今回、試験勉強の過程で、自分の知識が体系的に整理されたことは、非常に有意義でした。データベース検索の基本的な仕組みなども出題範囲として含まれますので、NCBIの検索などでも、背景を理解しながら解析を進めることができるようになると思います。また、出題範囲のキーワードをもとにして、さらに勉強を深めていくことができますので、バイオインフォマティクスをこれから志す方にとっても、よいきっかけになると思います。


佐々木 剛 (平成22年度 首席合格者)

私はポスドクとして分子進化の分野で研究を続けてきたのちに、現職(バイオベンチャーの研究員)に就いてからは抗体配列解析やデータベースの作成等、いわゆるdry の研究開発を主に担当しております。それまでの知識は自分の研究を進める上で必要な分野のみに偏っていたと感じていたところで、 バイオインフォマティクス技術者認定試験のことを知り、 創薬にバイオインフォマティクスを活かして仕事をしていく上で、 自分の弱点の把握と情報収集をかねて、受験を思い立ちました。 製薬業界に入ってから半年過ぎたところでしたが、 バイオインフォマティクス担当者が私一人だけという職場で、 客観的にバイオインフォマティクスに関しての 評価をしていただこうという考えもありました。 思い立ってから受験日までに十分な時間が取れず、 JSBiのウェブサイトにあった過去問題を一通り解いてみたところで 受験日がやってきました。 受験することで学習に対するモチベーションが向上することが最も大きな効果ではないかと思いますので、 受験対策をする時間があまりとれなかったのは残念でしたが、 集中して過去問に当たるだけでも当初の目的の多くが達成されたと思っております。 初めて見る用語について調べることで新しい知識を得ることもできました。 これから受験をお考えの皆さんはそれぞれに目的も背景も 異なるかと思いますが、ぜひこの機会を有効に活用して頂ければと思います。

平成21年度

バイオインフォマティクス技術者認定試験受験体験記

東京大学・廣瀬 農 (平成21年度 首席合格者)

1)個人的背景と受験の動機
私は現在植物生理の研究に関わっており、以前は微生物生態の研究をしておりました。自分自身の研究はいわゆるウェット系ですが、研究・実験の方向性を検討するため、バイオインフォマティクスを活用した論文を理解する能力を必要としています。また、バイオインフォマティクスと関連が深い、統計処理・データベース検索・スクリプト言語によるデータ抽出等の作業も日常的に行なっております。したがって、バイオインフォマティクスを専門としているわけではありませんが、比較的関わりが深い分野で活動していると言えます。
このような背景からバイオインフォマティクスには以前から関心があり、東京大学で開講されているアグリバイオインフォマティクス人材養成プログラム課程を修了しており、その際に得た知識が身についているかを確認したいと考えたことが今回受験した主な動機です。また、特任研究員という立場から能力の第三者証明が必要という副次的動機もあり、受験を思い立ちました。

2)受験対策
私の場合、生命科学分野は本来の専門分野であり、過去問題を解いた感触では特に対策は必要無いと思われました。情報科学分野は情報処理技術者試験で得た知識が役立ちました。情報処理技術者試験未受験の方であれば、いわゆる午前試験対策の問題集などが参考になると思います。
後半のバイオインフォマティクス分野については、過去問題と前述のABI人材養成プログラムの際のノートを中心に知識の確認・拡充を行いました。知識が不確かな用語・概念については、WWWが勉強の助けになりました。また、オープンなデータベースで実際に検索を実行したり、データをダウンロードして自分で処理してみることも理解を深めるために有用でした。

3)受験を終えて
解答の公表と結果通知が比較的早く、知識の確認に役立ちました。また、結果として正解だった問題でも選択肢の一部に初見の用語があるなど、学習を進める手がかりとしても有用でした。私と同様にバイオインフォマティクス隣接分野で活動中で本試験に興味を持たれた方には、ぜひ受験をお勧めしたいと思います。

平成20年度

バイオインフォマティクス技術者認定試験を受験して

東京工業大学・並木 洋平 (平成20年度 首席合格者)

私は大学で情報工学を専攻しており,現在は修士課程1年に在籍しています.学部4年生の時に研究室に所属してからは主にバイオインフォマティクスを研究テーマとして扱っています.
私がバイオインフォマティクスについて本格的な勉強を始めたのは昨年の研究室所属以降で,割と最近でした.それまでは主にコンピュータサイエンスの勉強をしていましたが,一方で生物やバイオインフォマティクスについての勉強はほぼ全くしていませんでした.そこで,この分野の研究に必要な知識を定着させるべく,JSBiのバイオインフォマティクス技術者認定試験を受験しました.
試験勉強は主に認定試験の過去問を使って行いました.試験で出題される問題は主に三種類あり,生物学,コンピュータサイエンス,バイオインフォマティクスに関する問題が出題されます.私は普段からコンピュータサイエンスの勉強をしていたため,コンピュータサイエンスの分野の問題は比較的容易に解くことができました.その一方で,生物学やバイオインフォマティクスの分野の問題については知識が浅く,認定試験の過去問を見ても解答が分からない問題が多かったため,参考書を使って過去問に出てきた内容をひたすら調べて勉強しました.知らないキーワードも多く勉強はなかなか大変でしたが,その分実りある試験勉強になったと考えています.
この試験を通じてバイオインフォマティクスとそれに関連する分野の基礎知識が身に付き,これからバイオインフォマティクスの研究をしていく上で自信を持てるようになったと思っています.バイオインフォマティクスの勉強を始めたばかりの方は基礎知識を定着させる勉強の一環として,自信のある方は力試しとして受験してみるとよいのではないでしょうか.

平成19年度

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東京農工大学・小柳 亮 (平成19年度 首席合格者)

私がバイオインフォマティクス技術者認定試験を受験したきっかけは、当時DNAマイクロアレイ法を用いたトランスクリプトーム解析を始めたところで、大規模解析から得られるデータから有用な情報を抽出して、自分の持っているデータが何を示しているのかを知るためには、それまで知らなかったバイオインフォマティクスの手法を学ぶ必要があると感じたことでした。大規模発現データの解析用にはアプリケーションソフトウェアが市販されており、私もそれらを用いてデータを解析していました。しかし、そこで用いられている情報処理の手法を適切に選択するためにはやはりそれぞれの手法についての正確な理解が不可欠であり、それは私のように生物系の出身で、「コンピュータは好きだけど、情報処理については学生実習でBASICを少し習っただけ」というレベルの人間が説明書を見ながらなんとなくソフトを使っているだけではなかなか身に付かないものでした。
バイオインフォマティクスと一口で言ってもそこには様々な内容が含まれており、当然認定試験の出題範囲も広範なものです。マイクロアレイをはじめとするトランスクリプトーム解析はその一部分にすぎませんが、アレイメーカーが提供する遺伝子アノテーションの基礎となっている各種データベースはそれ自体がバイオインフォマティクスの範疇にあり、それらのデータベースに収録されている内容はそれぞれがまたバイオインフォマティクス的な解析により得たものであるなど、他の分野においても内容や解析手法に関連する要素を持つものは多く、それらを合わせて学ぶことで理解が深まったと感じています。目前にある課題をすぐに解決するための知識を学ぶだけの独学では(私の場合それが学会発表の直前といった余裕のない時期に行われることが多いのが原因なのですが)、このように直接の関連がない分野や、情報科学の基礎理論といった内容まではなかなか手が回らないので、とてもよい機会になりました。