学会案内

特定非営利活動法人 日本バイオインフォマティクス学会について

日本バイオインフォマティクス学会は、我が国においてバイオインフォマティクスという学問分野を発展させ、その技術および関連事業の振興、並びにその教育基盤を確立するために、1999年(平成11年)に設立されました(2011年(平成23年)に特定非営利活動法人としての法人格を取得)。この学会は、バイオインフォマティクス分野最大の国際学会であるISCB(International Society for Computational Biology)の地域グループとして、またアジアの関連学会の連合体であるAASBi(Association of Asian Societies for Bioinformatics)のメンバーとしても、活動しています。さらに、日本に源流を持つ、世界で最も長い歴史を持つバイオインフォマティクス分野の国際会議International Conference on Genome Informatics(GIW)の開催にも大きな役割を果たして来ました。

会員は主に個人主体の正会員・学生会員と、企業組織などが主体の賛助会員から構成されています。学会の主な活動としては、年1回、年会を開催して会員の研究発表の場を提供しているほか、各種の研究会および地域部会活動、Oxford Journals-JSBi Prizeの授与、ニュースレター発行などを通して、多くの会員にとって意義のある学会であるように努めています。また、バイオインフォマティクス技術者認定試験を主催し、全国の会場で実施しています。その他にも、バイオインフォマティクス教育における標準カリキュラムの策定、若手向けの夏の学校の運営、「バイオインフォマティクス事典」「バイオインフォマティクス入門」の刊行などの事業を行ってきました。ぜひ、入会案内から本学会への入会をお願いいたします。また、学会についてのお問い合わせは学会事務局までお寄せください。

会長挨拶

2019年4月より、日本バイオインフォマティクス学会(JSBi)の会長を務めさせていただくことになりました。生命科学と情報科学が融合した学問領域であるバイオインフォマティクスに関する研究・教育を一層推進するため、微力を尽くしていければと考えています。

ここでは、私が学会の現状と展望に関連して重要だと考えている課題のうち、特に三つの点について述べさせていただければと思います。

第一は当然のことですが、本学会が本来のポテンシャルを最大限に発揮できるよう、さらに発展させていくことです。昨今では、学会の存在意義や統合に関する踏み込んだ議論もしばしば行われるようになりました。私としては、そうした議論があることも認識した上で、バイオインフォマティクスという学問分野の需要と近年の急速な発展、これまでの歴史を通じた産学をまたぐ人的ネットワークや融合分野の幅広い領域にわたる知見の蓄積、さらには医学・薬学・農学・環境学なども含めた生命科学全体におけるその本質的な存在意義を踏まえて、ぜひ周辺分野も含めより多くの方に本学会に参加していただきたいと考えています。とりわけ、本学会の中心的な活動である年会や公募研究会については、年会実行委員会や公募研究会主催者と学会本体との有機的な連携を深めつつ、引き続き、さらに魅力的かつ効果的なものにしていくことが望まれるでしょう。また本学会が実施しており、昨年には史上最多の受験者が臨んだバイオインフォマティクス技術者認定試験などの活動もまた、大きな盛り上がりを見せています。本認定試験を含む教育関連事業、学会賞、ニュースレター、他学会や関連企業との連携、学会ウェブサイト、政府や社会に対する発信などのあり方も含めて、正会員・学生会員・賛助会員の全ての学会員にとってより有意義な学会となるよう、みなさまのご意見を伺いながら前向きに展開させていければと考えています。

第二は、バイオインフォマティクスの未来の姿を議論し、また発信していくことです。今年は、1999年に設立された本学会の20周年の節目にあたります。この間、生命計測技術と、いわゆる人工知能技術を含む情報科学の長足の進歩によって、バイオインフォマティクスの位置付けは大きく変わり、あらゆる生命科学分野に必要な基盤としての役割も確固たるものになりました。そうした近年の発展や需要の大きさを踏まえた上で、バイオインフォマティクスのための中心的なコミュニティである本学会には、バイオインフォマティクスに関する研究討議や交流を行う中心的な場としての役割にとどまらず、生命科学の諸分野をまたぎ、情報という観点から俯瞰し、関連分野を先導するようなビジョンを示していく場としての役割が期待されるのではないかと思います。その過程では、激しくまた絶え間ない学問の展開の中でも、改めてバイオインフォマティクスとはどのような学問なのかを見つめ直し、これまでの研究の流れにとらわれない議論を行い、新たな領域を切り開いていくことも必要になるでしょう。そうした機運を醸成するための企画も、学会として進めていければと考えています。

最後に第三は、本学会の運営を安定的かつ持続可能なものにすることです。改めて強調するまでもないことですが、運営の安定性は、学会が様々な役割を果たしていく上で、決定的な基盤をなすものです。もともと本学会の運営は、一部の先生方の献身に依存してきた部分が大きくありました。そうした"手弁当"の運営形態を改善することを目指した、関係の先生方の近年の尽力の成果として、現在では、抜本的に再構築された幹事会、庶務を担当する内部事務局、そして会員管理・会計・法人業務を担当する外部事務局の三者が連携した新たな体制が構築されつつあります(学会員の方のなかには、例えば学会ウェブサイトの改善などにそのような変化を感じられている方もいらっしゃるかもしれません)。その一方で、課題もまだ多く残されています。まず、幹事や地域部会長など学会運営に携わる役員の引き継ぎ、そして年会運営の引き継ぎを、より円滑に行えるようにすること。さらに、理事会・幹事会においては長期的な視野からより本質的な議論を行えるように、かつ、そうした議論の結果をきちんと実装に繋げられるように、枠組みを整えること。事務局業務に関する明文化をさらに進め、将来的に事務局の再移設を調和的に行えるようにすること。そして、学会会計について精査を行い、会計面からも持続可能な体制を築いていくこと。いずれも華々しい性質のものではありませんが、積み重ねによって今後の本学会の姿に大きな影響を及ぼしていく、極めて重要な課題だと捉えています。

どうぞ、よろしくお願いいたします。

2019年5月8日
岩崎 渉