Mixed RealityとAIによる次世代データ活用と、創薬における実践事例

日本マイクロソフト株式会社

スマート創薬の為の基盤環境整備と応用
~AI、スパコン、Mixed Realityの社会実装に向けて~
関嶋政和 (東京工業大学)
創薬には、十数年に渡る長い期間と3000億円以上とも言われる膨大な費用が必要であり、近年はこの研究開発費が増加傾向にある。これまで新規化合物獲得のための期間と費用を削減し、有望な薬候補化合物を効率的に探索するためにさまざまな手法、アプローチが開発されてきた。筆者らは、IT創薬と生化学実験が連携するスマート創薬で、従来の創薬手法であるHigh Throughput Screening (HTS)に比べ、20倍以上高いヒット率でヒット化合物を見つけることに成功した。 我々は、AI の技術の一つである機械学習手法によるリード最適化に関する研究、スーパーコンピュータによる顧みられない熱帯病治療薬探索、ドッキングシミュレーションの精度向上を行ってきた。本講演では、これらの技術について議論を行うと共に、近年、現実の空間にオブジェクトを表示することで三次元の物を三次元のまま表示する技術として知られる Mixed Reality について、その実応用について紹介をする。


参考URL
1) https://www.youtube.com/watch?v=DXFL9lIZLWU
2) https://www.youtube.com/watch?v=JazPv04mxEo


参考文献
1) S. Chiba et al., An iterative compound screening contest method for identifying target protein inhibitors using the tyrosine-protein kinase Yes, Scientific Reports, accepted.
2) R. Yoshino et al., In silico, in vitro, X-ray crystallography, and integrated strategies for discovering spermidine synthase inhibitors for Chagas disease, Scientific Reports, 7, Article number: 6666 (2017) doi:10.1038/s41598-017-06411-9.
3) S. Chiba et al., Identification of potential inhibitors based on compound proposal contest: Tyrosine-protein kinase Yes as a target, Scientific Reports, 5, Article number: 17209 (2015) doi:10.1038/srep17209.


次世代のデータ活用としてのIntelligent Data Platform
畠山大有 (日本マイクロソフト株式会社 Principal Software Development Engineer)
AI (Artificial Intelligence) が実ビジネスのソリューションとして広がりを見せ始めています。その背景には、研究者の皆様が取り組みやすい技術・環境が整ってきた事があります。それにはクラウドの存在は欠かせません。このセッションではMicrosoftが提供している最新のAIなどを中心にした、Data Platformについてご紹介をします。Big Dataの先に生まれるIntelligenceをどう位置づけ、どう産業に活かしていくのかを最新動向も踏まえて紹介します。