解析手法やデータを共有できる「バイオメディカルデータ解析ゲートウェイ」Takeru Galaxy

株式会社ナベ インターナショナル マーケティング部 渡辺理恵

 

 

バイオインフォマティクスをはじめとする情報系の研究者にとって、コマンドラインによる操作に慣れていないメンバーや共同研究先など外部のメンバーを含むチームで研究を進める際に、解析手法の共有、解析データの共有をどうするかは大きな課題です。共有にあたっては、実験系・臨床系研究者が実行するデータ解析に対する技術的サポートやトラブルシューティング、解析に用いる計算機やストレージにおけるユーザー管理や使用データベース設定等のIT環境整備などが必要になり、これらに対して情報系の研究者が、解析手法の開発など本来の仕事に加えて責任を持つ場合は多々あります。
一方、データインテンシブなバイオメディカル研究における統合解析ソフトウェアとして知られているGalaxyは、数年来その構築をサポートしてきたナベ インターナショナルにおいて、次世代シーケンスデータ等の解析システム導入に際する構築要望が増えています。これはGalaxyの認知度上昇に加え、研究チームにおける解析方法共有の重要性およびそれに伴うGalaxyの必要性が増したことに起因すると考えられます。
Galaxyは機能拡充やトレーニング資料の充実、コミュニティ活動の拡大など大きく展開しており、組み込み可能なソフトウェアやレファレンスデータベース数の増加、解析履歴マルチビューワーの導入やパブリッククラウドへの対応、使用ソフトウェアを実装するためのツール導入、使い方ツアー動画の増加、開発者チャットの公開など、その展開は多岐に渡っています。オープンに開発、公開されているGalaxyは関連する情報も入手が比較的容易ですが、その分サポートがないため、カスタマイズや問題解決は自力で実施する必要があります。
このGalaxyに、研究室独自解析パイプラインの実装等カスタマイズや、ユーザー管理・共有データ設定等利用技術へのサポートを加えたものが、バイオメディカルデータ解析において異なる背景を持つ研究チームメンバーをつなげる役割を果たす、いわばゲートウェイとなるTakeru Galaxyです。
本セッションではまず、Galaxyに最近追加された新機能や活発な開発コミュニティの活動状況について、開発コミュニティ会議参加の経験から得られたことを含めて紹介します。また、Takeru Galaxyの特長、仕様、計算機と組み合わせた導入例などを説明し、本家Galaxyと何が異なるのかを含め、Takeru Galaxyの概略をお伝えします。
次に、実験系・臨床系研究者を中心とするユーザーの視点から見たTakeru Galaxyを解説します。解説により、Takeru Galaxyの導入により研究チームが解析手法および解析データをどう共有できるかイメージしていただき、データ解析システムAdminの役割を担う場合におけるTakeru Galaxy導入のメリットをご理解いただきます。
さらに、研究室独自の解析パイプラインをDockerにてコンテナ仮想化しTakeru Galaxyへ実装する方法を解説し、Takeru Galaxyで提供可能なGalaxy利用技術の一端を提示します。

 


(13:35頃-、約30分)

Galaxy開発コミュニティの活動状況およびTakeru Galaxyの紹介
株式会社ナベ インターナショナル マーケティング部 渡辺理恵


(14:05頃-、約30分)

ユーザーから見たTakeru Galaxyと研究チームにおける解析手法および解析データの共有
株式会社ナベ インターナショナル 技術開発部 技術開発第二グループ 溝谷浩平


(14:35頃-、約30分)

解析パイプラインのDockerコンテナ化とTakeru Galaxyへの実装
株式会社ナベ インターナショナル 技術開発部 技術開発第一グループ 藤枝範訓

 

 

(全体プログラムの変更により、開始時間が変更となる場合があります)