シンポジウム・企画セッション

シンポジウム・企画セッション概要

開催日時 タイトル
9/14(水) 13:20-14:50
会場: ライフホール
■日本バイオインフォマティクス学会・日本オミックス医学会 合同シンポジウム
「コホート研究から導く健康長寿」
9/14(水) 10:30-12:00
会場: ライフホール
■企画セッション
「低炭素社会実現に向けたバイオインフォマティクス研究」
9/14(水) 15:00-16:30
会場: サイエンスホール
■日本オミックス医学会シンポジウム
「ビッグ・データとAIが医学・医療を変革する」

シンポジウム・企画セッション詳細

日本バイオインフォマティクス学会・日本オミックス医学会 合同シンポジウム

コホート研究から導く健康長寿

開催日時:
  • 9月14日(水) 13:20-14:50
会場:
  • ライフホール
座長:
  • 水口賢司(大阪大学蛋白質研究所)
  • 荻島創一(東北大学 高等研究機構 未来型医療創成センター / 東北メディカル・メガバンク機構)
タイトル
腸内環境研究から見えてきた健康社会の近未来像
Intestinal Environment Research Reveals Future Vision of Healthy Society
講演者名
國澤純
(医薬基盤・健康・栄養研究所 ワクチン・アジュバント研究センター&ヘルス・メディカル連携研究センター)
要旨
近年、健康維持・増進における腸の働きが広く注目されています。食品成分や腸内細菌などから形成される腸内環境と様々な健康状態や疾患との関係についての研究が進んだことで、腸内環境を対象にしたヘルスケアや創薬の可能性が見えてきました。私たちは現在、腸内環境と健康との関係について、ヒトを対象とした研究と動物モデルを用いた基礎研究を融合的に進めつつ、得られた知見を社会実装する研究を行っています。本講演では、我々の最近の知見を中心に、腸内環境がもたらす新しい健康社会の可能性について議論したいと思います。
タイトル
心不全重症化予防事業による新しい保健指導
New health guidance by heart failure aggravation prevention project
講演者名
小久保喜弘、鹿島レナ
(国立循環器病研究センター健診部)
要旨
吹田研究により循環器病の研究成果が集積され、様々な循環器病のリスクスコアを開発してきた。それらを集積して、心不全重症化予防の予測ツールを開発した。さらに、新しい保健指導として生涯健康支援10というテキストも開発した。吹田市、吹田市医師会との共同事業として、心不全重症化予防事業として、吹田研究の成果を吹田市民に実装化し他の自治体とも連携して均てん化も図っているところである。
タイトル
東北メディカル・メガバンク計画の進展とコホート・バイオバンクの連携
Progress of Tohoku Medical Megabank project and development of cohort/biobank networks
講演者名
荻島創一
(東北大学 高等研究機構 未来型医療創成センター / 東北メディカル・メガバンク機構)
要旨
東北メディカル・メガバンク計画は15万人の前向きゲノムコホートによるバイオバンクを構築し、個別化ヘルスケアの実現に向けた試料・情報の分譲を進めるなど、国内外でゲノムコホート・バイオバンクの基盤整備が進んでいる。コホート・バイオバンクから健康長寿を実現するためには、コホート・バイオバンクの連携による大規模なデータの利活用が重要である。国際的なデータ共有の動向とあわせて、コホート連携としてのコホート横断検索、バイオバンク連携として日本の主要なバイオバンク・ネットワーク構築とバイオバンク横断検索の取り組みについて紹介し、コホート・バイオバンクを基盤とした健康長寿に向けた個別化ヘルスケアの研究開発について展望する。

企画セッション

低炭素社会実現に向けたバイオインフォマティクス研究

開催日時:
  • 9月14日(水) 10:30-12:00
会場:
  • ライフホール
座長:
  • 荒木通啓(医薬基盤・健康・栄養研究所)
タイトル
人工代謝経路設計による微生物を用いた化石資源由来化合物の生産
Microbial Production of Fossil resource-derived Compounds by Designing Artificial Metabolic Pathways
講演者名
白井智量
(国立研究開発法人理化学研究所・環境資源科学研究センター・細胞生産研究チーム)
要旨
有用化合物を微生物に生産させるとき、細胞内の炭素の流れだけでなく、エネルギーの生産・消費や酸化還元のバランスをも含めた『代謝』を最適に設計する技術は必須である。細胞内で1,000以上存在する代謝反応を人間の頭だけで考えるのには限界があり、コンピュータによる計算力が必須となる。本講演では、我々が開発した代謝設計ツールを紹介し、実用微生物へ技術展開した例を紹介したい。
タイトル
スマートセル構築に向けたバイオインフォマティクスからのアプローチ
Bioinformatics Approaches for Designing Smart Cells
講演者名
石谷孔司
(国立研究開発法人産業技術総合研究所)
要旨
バイオ技術やバイオ資源を活用した生物によるバイオものづくりは、化石資源への偏重解消やエネルギー依存の低減に繋がり、CO2の削減、ひいては持続可能な循環型社会の実現に向けて不可欠なものと位置づけられています。本講演では、自然界に依存している生物には本来合成できない、あるいは、合成が困難な化合物生産を実現するためのスマートセル構築に向けた取り組みや関連するバイオインフォマティクス研究についてご紹介いたします。
タイトル
深層学習により得られた特徴量ベクトルの解析に基づく酵素配列の新たな特徴の抽出・探索可能性
Possibility of extracting and exploring new features of enzyme sequences based on feature vector analysis obtained by deep learning
講演者名
厨祐喜
(京都大学大学院医学研究科)
要旨
低炭素社会の実現に向けた微生物による物質生産で、有望な酵素の探索は非常に重要である。一方、近年、深層学習によるEC番号や局在、構造、機能予測等が盛んに研究されている。そこで、酵素配列を学習した深層学習モデルが配列のどのような部分を重要視しているかをモデルの判別スコア・特徴量ベクトルに対するIntegrated gradientsにより解析・可視化した。また、これによる配列の新たな特徴抽出の可能性についても言及する。
タイトル
文献・公開情報からの知識抽出を用いた代謝改変設計
Design techniques for metabolic engineering based on knowledge extraction from literature and public data
講演者名
伊藤潔人
(株式会社日立製作所 研究開発グループ)
要旨
代謝改変による高生産性微生物の創製では、研究者は自ら実験により取得したデータと、文献・各種データベース上の公開情報とを利用し、必要な遺伝子改変を設計してきた。個々の実験結果のデータ量は少数であるが、文献・公開情報の集合体が持つ情報量は大きい。そこで我々は、文献・公開情報の集合体から、有用な知識を抽出し代謝設計に活用する技術を開発している。こうした知識活用による、新たな微生物創製の可能性を議論する。

日本オミックス医学会シンポジウム

ビッグ・データとAIが医学・医療を変革する

開催日時:
  • 9月14日(水) 15:00-16:30
会場:
  • サイエンスホール
座長:
  • 辻真吾(東京大学 先端科学技術研究センター)
タイトル
ビッグ・データとAIによる医学・医療の第3次革命
講演者名
田中 博
(東京医科歯科大学 統合教育機構)
要旨
ゲノムデータやモバイルデータに囲まれて、今後、抗生物質による細菌性感染症の激減という第1革命、分子生命医科学の発展の第2革命に続く「第3次医療革命」が進行しつつある。それは、「データ駆動型」医学研究、すなわち、一様な深さをもち「全体被覆性」を持つ網羅的データから「教師なし学習」によって、知識の自動発見するリバースサイエンスである。また、<生命情報>電子カルテによる「精密医療の大衆化」が達成される。
タイトル
マルチモーダルデータとゲノミクスに基づいた認知症サブタイピング解析
講演者名
菊地 正隆
(東京大学大学院 新領域創成科学研究科)
要旨
現在アルツハイマー病の治療薬開発は難航しており、その前段階である軽度認知機能障害(MCI)を標的とした治療薬開発が進んでいるが、MCIは不均一な病態を示す。そこで本講演では、MCIの不均一性を明らかにするために様々なマルチモーダルデータを組み合わせたMCIのサブタイピング解析について紹介する。さらに個々の遺伝的素因の強さを定量化するポリジェニックリスクスコアを用いた患者の層別化についても紹介する。
タイトル
生命科学と次元削減
講演者名
辻真吾
(東京大学 先端科学技術研究センター)
要旨
生命科学の実験データは高次元データであるため、その解釈に次元削減手法が頻繁に用いられている。次元削減手法にはさまざまな方法論があるが、手法ごとに性能を定量化する試みはあまり見られない。この演題ではPCA、tSNE、UMAPなど広く使われている次元削減の方法論を定量的な指標で比較したあと、新たな方法論の可能性についても紹介したい。
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