開催趣旨

大会長挨拶

榊原 康文 大会長

大会長
榊原 康文
北里大学 未来工学部

このたび、2026年8月26日から28日までの日程で、神奈川県相模原市にて、2026年日本バイオインフォマティクス学会・第14回生命医薬情報学連合大会(IIBMP2026)を開催いたします。

バイオインフォマティクスは、ゲノムデータをはじめとする膨大かつ高度な生命情報を情報科学の力によって解析・体系化し、新たな知を創出すると同時に、生命科学・医薬学・情報科学といった多様な分野を結びつけることで、学際領域の発展を牽引してまいりました。分野の境界を越えて対話を生み出すその役割は、学会創設以来、一貫して本分野の中核に位置づけられてきたものです。

近年、生成AIの急速な進展は、解析手法の高度化のみならず、大規模かつ多様な生命科学データの統合を通じて、生命現象を定義し、さらには予測する能力を飛躍的に高めています。一方で、その革新性の高さゆえに、各分野で過度に性急な期待や、十分な検証を経ない導入・議論が先行する場面も見受けられます。こうした光と影の双方を踏まえ、生命情報学のあるべき方向性が、今改めて問われています。

本大会は「生成AI時代にバイオインフォマティクスがつなぐライフサイエンスコミュニティ」をテーマに掲げ、バイオインフォマティクスが担ってきた異分野間の架け橋としての役割を明確にするとともに、次世代を担う研究者とともに、変容しつつある学問のあり方や研究コミュニティの姿について議論する場としたいと考えております。これまで本学会が大切にしてきた、基礎研究を重んじ、丁寧で濃密な議論を積み重ねる姿勢を本大会においても堅持し、急激な技術革新の時代にあっても、流行に流されることなく、確かな研究の蓄積と熟議を通じて、ライフサイエンス全体の持続的発展に貢献することを目指します。

共催となる北里大学は、生命科学の総合大学としての自負のもと、情報学の力で分野をつなぎ、新たな知を創出することを目指して、25年ぶりに新学部である未来工学部を創設しました。本大会を北里大学が共催となり開催することは、バイオインフォマティクス学会の創設理念に立ち返り、生命科学・医薬学・情報科学を横断するコミュニティの新たな出発点を社会に発信する機会であると考えております。

講演や発表にとどまらず、分野や立場を越えた率直な議論、偶発的な出会いから生まれる対話こそが、バイオインフォマティクスという学問の未来を形づくる原動力となります。ぜひ本大会を、生成AI時代における生命情報学の現在地とその先をともに考え、新たな連携や共同創造の芽を育む場として、存分にご活用いただければ幸いです。