日本バイオインフォマティクス学会 2020年年会 第9回生命医薬情報学連合大会(IBMP2020)

日本オミックス医学会 シンポジウム

シンポジウム詳細

  • タイトル
    AI・ビッグデータによる医療の第三次革命
    講演者名
    東京医科歯科大学、東北大学 田中 博
    要旨
    AIやビッグデータが最近、医学・医療の世界でも注目を集めている。これらの動きは、2~3年にわたるブームではなく、これから何十年にわたって引き続き、医学・医療の土台を根本から変革する第三次医学・医療革命をもたらす(第一次:抗生物質による細菌性感染症の克服、第二次:分子生命科学による分子医学)。医学においては、過去の知識の上に基づきヒトが建てた仮説に従って究明する「穴だらけ」のこれまでの仮説駆動的医学に代わり、ビッグデータの全体表出性に基礎をもち「教師なし」学習によって網羅的な知識を産出する「データ駆動的医学」が大きな役割を果たす。また医療においては、ゲノム・オミックス医学やモバイルヘルスによる情報に基づき、治療医療中心から予知制御医療が取って代わり、これまでの対応主義的・機会主義的医療から「生涯にわたる」<疾患にならせない医療>が目指される。
  • タイトル
    次元削減手法のこれまでとこれから
    講演者名
    東京大学 辻 真吾
    要旨
    説明変数が多い大規模なデータを解析する際、次元削減の方法は必須と言える。tSNEやUMAPなど比較的最近提案された手法だけでなく、古典的なPCAなども含めて、次元削減の方法論を概観する。これら手法の生命科学分野での応用事例を紹介しつつ、手法の特徴や限界について考察する。最後に、発表者らが取り組んでいる新たな次元削減手法の開発について報告する。
  • タイトル
    深層学習を利用したネットワーク解析手法(Network embedding)の創薬研究への応用
    講演者名
    東京医科歯科大学、システム・バイオロジー研究機構 長谷 武志
    要旨
    生体内分子の制御関係を網羅的に記述した生体内分子間相互作用ネットワークは、新規のドラッグターゲットの探索や、薬剤の副作用予測に活用されつつある。本講演では、従来の生体内分子間相互作用ネットワークの解析法に加えて、急速に発展しつつある深層学習を利用したネットワーク解析手法(Network embedding)について解説し、これらの手法の新規のドラッグターゲットの探索とドラッグリポジショニングへの応用について議論を行う。